職場のSUNSUNさんが言う
「oneさん、第9歌えるでしょ。ほら、旦那様も一緒にって。パートはなんだっけ?」
おっとっと。不用意にそんなことを喋っていたか。
「めちゃめちゃアルトです。地味で真面目で地に足ついたアルト性格そのままでしょ」
「もう。ソプラノが足りないのよ。歌いましょう」
「だめー。特に第9の♪がんつぇんべーーーーーーーーーると♪のところで血管が3本くらい切れて天国まで飛んじゃうわ」
「ベトちゃんは耳が聞こえなかったから無理させるのよねえ」
おりょ。SUNSUNさん、ため息だ。
毎年年末に歌ってるんだ。
なんでも募集したものの、練習途中からぼちぼち抜けて減っているらしい。
もちろん男声パートは慢性的不足状態。
アルトだけが余ってるとか何とか。
「そんなこといわずに、少数精鋭。パーシモンホール頑張って下さい」
なんだか年末にベトちゃん歌う習慣が巷にあるが何でかな。
嫌いじゃないけど、クリスマスにはメサイアでしょう。やっぱし。
私の
母校ではキャッピングの日にお祝い歌として上級生がメサイアを歌う。
当時は女子校だったから女声三部合唱のメサイア。
ユニフォームの上に羽織ったマント。裏地の赤を肩にめくって歌う上級生はかなり素敵だった。
そんなわけで、そのまま合唱部に入って年末のコンサートに毎年メサイアを歌った。メサイアはキャッピングとクリスマスの歌だった。
東京にお嫁さんとなって行く事になった時、当時の合唱団の誰かが言ってた。
「東京なら、
芸大のカンタータクラブのメサイアがいいよ」
指揮者はじめ、一緒にコンサートをした人たちもカンタータクラブつながりだった。素敵なメンバーだ。
音楽にうるさい旦那さんは
<ビブラートかかりすぎのちりめんソプラノは大嫌い>
<だいたい日本人の体型に西洋人のベルカントやらせたって無理がある>
<この歌は教会でやる歌だから、もっと少人数で>
それ以上うるさいのでパス!
だけど私もそう思う。ちょっとね。
そのちょっとうるさい旦那さんお奨めがカンタータクラブだった。
レベルも高いし、学生で変な癖がなくて素直に歌ってるから一番いいとのお墨付き。行きたい行きたい・・・・。
ずっと年末になるたびに毎年同じ会話をして、結局子どもを置いていけずに終わっている。上野の杜は遠い。
せめて
CDでも聞きますか。