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2020.06.15
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だいぶ暑い日が増えてきた。日中の日差しはすでに夏そのものだ。梅雨の時期さえなければ過ごしやすい季節と言えるのだが。
 さて熱くなってくるとがぜん辛い料理がおいしくなってくる。お父さんはタイカレーや辛めのマーボーナスなどが大好きだ。人よりも辛いものが好きというわけでもなければ、辛くても平気というわけでもないのだが、暑いときは辛いものが食べたくなる。

 そんなお父さんがこれまで食べた料理の中で一番辛かったものを今回は書きたいと思う。世の中に辛い料理はたくさんあるし、テレビでも激辛な料理を食べる番組を毎週のようにやっているがあのようなものを食べようとは思わないので、今後の人生を含めてお父さんの辛さは更新されることは無いと思う。

 さてお父さんが人生で一番辛かった料理は日本料理ではない。大学生の時に旅行したタイで食べた料理だ。トムヤンクンとかのように料理名を知っているわけではないので、そのまま書くと「青唐辛子炒め乗せごはん」だ。
 きわめて単純な料理であり、青唐辛子だけを油でいためたものをお皿に盛ったご飯の上にのせて食べる料理だ。

 お父さんはこれを、朝ご飯としてタイの屋台で食べた。その日の朝、お父さんは一緒にタイに言ったO君と屋台に朝ご飯を食べに行った。屋台はたくさんの現地の人たちでにぎわっていた。列に並んでみていると最初にご飯を持った皿を渡され、目の前にある料理から2品を選んでご飯の上にのせてもらう方式だった。値段はたしか5バーツ(15円)ぐらいだったと思う。

 おいしそうに見えるモノから味が想像できないものまで結構な種類の料理が並んでいた。そんな中で多くの人がご飯に載せていたのが青唐辛子の炒め物だ。お父さんも最初は「辛そう」と思っていたが、かなりのお客さんがそれを指名してごはんに乗せていた。
 なのでお父さんは、辛そうに見えるけれどもそれほど辛い料理ではないのではないかと思い始めた。日本のシシトウのようなもので普通に美味しい料理なのではないかと。

 お父さんは2品のうち1品をその青唐辛子の炒め物にすることに決めた。もう一つは何を選んだのか覚えていない。皿に盛られた青唐辛子はその時にはかなりおいしそうに見えていた。

 お皿をもって席を探し、O君とともに地元の人たちを相席してテーブルに座った。O君の皿を見ると彼もお父さんと同じ青唐辛子の炒め物を選んでいた。みんな頼んでいるしそんなに辛くないよね、みたいなことを話していた記憶がある。

 さて席について早速ごはんと一緒に青唐辛子を何本か口に入れて咀嚼した。最初は何の味もせず、次にちょっと唐辛子の青臭さを感じたと思った瞬間、猛烈な痛みが口の中を襲った。痛いと思った次の瞬間には口の中が麻酔をかけたように感覚を失っていた。

 とにかく水が飲みたかった。しかしそこに水は無かった。お父さんは口を半開きにしながら近くの商店まで歩いていき、O君の分も含めてペットボトルの水を買った。
 テーブルに戻ってきて急いでキャップを開けて水を飲んだが、なぜか半分ぐらいが顎から下に流れてきた。ペットボトルが壊れているのかと思ったが、違った。

 お父さんの口が感覚をなくしているのでうまく水が飲めないのだ。来ていたTシャツをビショビショにしながらお父さんはペットボトルの水で口の中の唐辛子を胃に流し込んだ。喉から胃まで通っているところが熱くなるので、いま唐辛子がどこを通っているのかはっきり分かった。

 さて2口目を食べる気はなくなっていたが、周りの現地の人たちは同じ料理を普通に食べている。また残している人もいない。更に外国人ということで周囲から若干注目を集めていた。お父さんは覚悟を決めてすべて水で流し込んで食べることにした。

 2口目、すでに口の中に感覚はない。唇も下もどうなっているのかよくわからない。3口目、すでに拷問のような状態になっている。水を飲んでもほとんどが口に入らずにこぼれていく。3口食べたところでこのままでは体に悪いと考えてお父さんはギブアップした。
 O君も同様にギブアップした。敗者となったお父さんたちはこっそりと料理をお皿と一緒に戻して宿に戻った。

 宿のベッドに横になったが、胃は暑いままだし汗はいつまでも噴き出てくる。とにかく体調が悪い。致し方ないのでO君と体調が戻るまで横になっていることにした。
 結局その日の夕方まで、お父さんたちは動くことができなかった。おそらく胃から小腸、大腸と抜けていくまで動けなかったのだろうと思う。

 この件以来、お父さんは露骨な辛い物を口にすることは無くなった。青唐辛子を一気に食べていたタイの人たちはいったいどういう舌をしているのだろう。辛さで口の中の感覚がなくなったという体験は後にも先にもあの時だけだ。

 もしお前たちが同じ料理を見つけたら一度食べてみるといいかもしれない。ただし丸一日つぶしてしまうことを覚悟して。





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最終更新日  2020.06.15 00:10:09
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