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カテゴリ:思い出(社会人・海外)
年を取ると世の中についていけなくなる。お父さんもだいぶ世の中についていけなくなっている。まず若者に人気があるという音楽やゲームや漫画などの娯楽がまるで分らない。何が面白いのかわからないのだ。自分が若い頃の漫画や音楽は今でも楽しいので、感性が今の時代についていけていないのだとわかる。
そして世の中の製品にもついていけなくなってきている。お父さんが若い頃は新しいハード(機械)がどんどん増えていった時代だ。ビデオデッキが家庭に普及し、テレビも地上波だけのブラウン管のテレビから、BS放送が始まり、デジタル放送が始まりでハードがどんどん進化してきた。 カメラもフィルムカメラからデジタルカメラになり、今やデジタルカメラを使うより携帯電話のカメラが主流になっている。スマートフォンなどお父さんが学生のころから見たら、テレビ付きカメラ付き電話付きの超小型コンピューターだ。当然すべての機能を扱えるほどお父さんはスマホを使いこなせていない。 近い将来、お前達からバカにされるのが目に見えている。予約録画もできないお父さんの両親をお父さんがバカにしていたように。 さてお前たちは使ったことが無いと思うが、我が家には昔からFAXが置いてある。これは電話回線を使って文書などを送る機械だが、昔はEメールなどなかったので大活躍していた。 いまだに我が家にFAXが置いてあるのは、お前たちのおじいちゃんがスマホもパソコンも使えないからだ。 先日の土曜日におじいちゃんから電話がきてあることを頼まれた。電話では難しい内容だったので、おじいちゃんがFAXを送ると言ってきた。しかしながら待っても待ってもFAXは送られてこない。焦れていたころにおじいちゃんからまた電話が来た。FAXがうまく送れないと。 お父さんは我が家の電話が鳴っていないのだから回線がつながっていないと説明した。しかしながらおじいちゃんはその意味が分からない。紙の大きさがダメなのではないかとずっと言っていた。 仕方がないのでお父さんは、とりあえずファックスの電話機能を使って電話を掛けるようにお願いした。それでもおじいちゃんは電話をかけてくれない。 結局紙が大きいせいだと言い続けて(紙はA4用紙で問題がないことは確認済み)、紙を電話の向こうで切りだしてしまった。紙を切り終わったところでようやくお父さんの言うことが耳に入ってきたようだ。 手動で電話をかけてもらったところ、ようやく我が家に回線が通じた。そこで原稿をセットしてスタートボタンを押してもらうことで、ようやく我が家にFAXが届いた。実に20分近くもかかってしまった。隣で見ていたお母さんがあきれるほどに時間がかかった。 お前たちのおじいちゃんは、頑固だ。そして常に自分が正しいと思っている。年を取ってその傾向はさらに強くなっている。10年前ならお父さんの話を聞いてすぐに電話回線を先につなげるよう動いてくれたはずだ。でも今は全く聞いてくれない。ボケているわけではない。これが年を取るということなのだと思う。 いずれはお父さんもお前たちに同じような迷惑をかけることだろう。お父さんにもおじいちゃんの血が半分流れているのだから。そしてお父さんも周りから頑固だと言われている。 できる限り子供や孫に迷惑をかけたくないとは思っているが、まあお父さんが長生きするようならそれなりの覚悟はしておいてほしい。 電話がつながっていないことを何度言っても聞いていない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.07.05 00:10:11
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