|
カテゴリ:思い出(社会人・海外)
何回か、ベトナムで買い物のレジの話をしているが、今回も同様の経験をしたので書いてみたいと思う。
先日マレーシアに出張に行ったのだが、ラウンジで日本人と話をする機会があった。ベトナムから出張しているというと、ベトナム旅行に行ってきた話をされた。食事が美味しかったとかいい話もあったが、一番大変だったのは、タクシーもスーパーマーケットもとにかく列がきちんとできていなくて困惑したという話だった。
ベトナムでは、店員や係の人が列をきちんと作るように常に見張っていない限り、きちんとした行列はできない。少しでも得をしよう(早く前に行こう)という人がたくさんいるからだ。 そして基本的に、お店も空港のタクシー乗り場もそういう人たちを許さないという雰囲気は全くない。店からしたら、誰が先に会計をしようと売り上げに変わりはないと思っているし、下手な指示をしてもめるのも嫌なのだ。特に儒教の影響を受けているベトナムでは、目上(年上や社会的地位の高い人)を不快にさせることを嫌がる。なので若い店員がおじさんやおばさんの無法行為を注意することができない。
先日の出張でも、手荷物検査の行列でどこかのバカがレーンを形成しているベルトを外して横入りをしていた。日本なら許されないし、周りがそれに同調することもないのだが、ベトナムでは同調しない人の方が少ない。結局大量の横入りの人で列がおかしくなっていた。
これは日系のスーパーでも同様だ。働いているのはベトナム人なので、どうしようもないのだろう。先日ベトナムのイオンに久しぶりに買い物に行ったのだが、レジの行列に持っている商品の少ない人が何人も横入りしていた。 お父さんは雨合羽を買うため並んでいたのだが、5人目ぐらいに並んでいたのに、会計を済ませるのに30分もかかってしまった。
横入りだけではなく、もう一つのベトナム特有の文化のせいだ。それは、レジに並んでいる間に、仲間に買い忘れたものを探しに行かせたり、レジで自分の順番が来た時に、レジの担当に見つけられなかった製品を探しに行かせたりするのだ。 もちろんイオンにはお客様を対応する人が、フロアにそれなりに存在している。それでも彼らはレジで聞くのだ。レジの係も客に言われた商品を探しに行ってしまう。日本人のお父さんから見たら何が起きているのか全く分からない。ただイライラが募るだけだ。
今回はレジは一つだったが、なぜか3人も担当がいた。それなのに、日本の1人で対応するレジとは比べものにならないくらい進みが遅かった。店員にとって、売り上げがあっても無くても、給料は変わらない。ましてや客がイライラしていても、自分には全く関係がない。客が怒って商品を買わずに帰ってしまったところで、何も損をしないのだ。 逆に頑張って仕事をして、レジを早く済ませても、給料が上がるわけではない。そういう時、ベトナム人は「頑張っても意味がない、頑張るだけ損をする」と考えるようだ。
儒教と社会主義が招いた弊害により、これからもベトナムでは列がきれいにできることは少ないだろう。ベトナム人で礼儀正しく育ってしまった人は、本当に生きにくい世の中だと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.08.06 00:10:07
コメント(0) | コメントを書く
[思い出(社会人・海外)] カテゴリの最新記事
|