|
カテゴリ:エッセイ
先日あることがあって、ふと「老いては子に従え」という言葉を調べてみた。昔から知っている言葉ではあるが、あまりいい意味の言葉ではないなと思っていた。初めて耳にしたのは、祖父母の家にあった「いろはかるた」だったと思う。「年寄りの冷や水」とともに、父親から「祖父母の前で言わない方がいい」と注意を受けたことを覚えている。
さて今回調べて驚いたのだが、「老いては子に従え」という言葉は、「礼記」や仏典が出どころのようで、「三従の教え」というモノらしい。「若い時は親に従い、盛りにしては夫に従い、老いては子に従う」という女子教育のための言葉ということで、ちょっと衝撃を受けた。 現代日本では、使ってはいけない言葉ではないかと。
この言葉に従えば、女性に自由意志が認められないということになってしまう。古き時代の常識であったのだろうが、現代では完全に否定されている考え方だろう。お母さんに話してみたら、「何それ、ひどい」とやはり気分が悪いようだった。 過去の常識をその時代に生きていない人が批判しても意味がない。それはわかっているのだが、女性が社会的に従者の役割という時代に生まれなくてよかったと、男としても思ってしまう。
時代が変わるにつれて、世の中の価値観とか常識というモノは必ず変化していく。今お父さんたちが常識とか規範としている考え方も、将来は否定されるモノも多いだろう。古いモノが新しく変わるだけでなく、行き過ぎた考え方も元に戻すように変わっていくかもしれない。
商業的な利権と結びついたポリティカルコレクトネスに付随するものなどは、ぜひもとに戻してもらいたいとお父さんは思っている。 ちなみにお父さんが、行き過ぎた社会正義の中で知識として持っているのは、アメリカの「禁酒法」だ。詳しいことを知っているわけではないが、「酒を売ることを禁止」したこの法律は、結局密造酒の製造販売を助長しただけで、全くと言っていいほど効果が無いどころか、社会を混乱に陥れた。
人間は時に後から考えればどうしてあんなことをしたのだろうということをしてしまうことがある。個人的なことだけでなく、社会全般でもやってしまうモノなのだ。 お父さんも気をつけたいとは思っているが、社会の流れの中で急激に発展し伝播する価値観に逆らうことは今後も難しいだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.03.27 00:10:10
コメント(0) | コメントを書く
[エッセイ] カテゴリの最新記事
|