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2023.05.22
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カテゴリ:エッセイ

 生まれた時から16年間、息子に箸をきちんと持つように教育してきたが最終的に失敗した。いまだにまともに箸を持てない。まともな人が嫌悪するレベルの持ち方をしている。高校生になった息子にこれ以上言うつもりはない。指摘はたまにするかもしれないが、躾をするつもりはもうなくなってしまった。16年間言われて直さないのならこの先も親の意見では無理だろう。息子は箸をきちんと持てない人になるという人生の選択をしたと思うようにしている。

 

 マナーや作法を守らない人は、「困らない」「くだらない」という話をすることがあるが、例外がたくさんあるにしても、きちんとできる人は、できない人と友人にはなっても夫婦には絶対になろうと思わないだろう。恋愛まで発展してもその先は無いと思う。息子は今後、そういう状況を受け入れていかなくてはならないだろう。もちろん高校生にもなれば、露骨に指摘してくれる人はほとんどいなくなるだろうし、息子がそれによって損をしていることに気が付けるかはわからない。

 

 お父さんも躾ができなかった親としての人生を歩まなくてはならないが、普通の家よりは箸の持ち方は何度も厳しく教えてきたつもりだし、できないことのデメリットもかなりきちんと教えてきた自負はある。

 それでも直らなかったという現実は、受け入れるしかないだろう。

 

 お父さんは、入社試験で箸や鉛筆の持ち方、マナーを陰で確認している会社があることを知っているし、マナーがなっていないことに耐えられなくなって、好きだった人を嫌いになったという話もいくつも知っている。

 どちらも相手には、それが理由で×になったという情報は伝えられない。息子にも同じ運命が待っていると思うと切なくなるが、受け入れる以外の道が残っていない。悲しいことである。

 

 箸の持ち方やその他のマナー、作法などは覚えて実行するかだけの話である。身体的な能力やセンスが必要なわけでは無い。だからこそ、そこにその人の人間性が出るし、それを見て付き合い方を判断されてしまう。

 幸い長女と次女はその辺りは何とかなっている。次女に関しては少し怪しいところもあるが、注意すれば聞き入れるのでもう少し指導しようとは思っている。

 

 息子の不利益は確定しているが、少しでも少なくなることを祈ることぐらいしか、お父さんにできることは無い。






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最終更新日  2023.05.22 00:10:13
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