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カテゴリ:エッセイ
人への評価を口にするのはとても危険な行為である。たとえそれが「自分にとってほめているつもり」のモノであってもだ。主観と客観という言葉があるが、人に対する評価というのは、8割方が主観である。テスト結果や陸上のタイムの様に、数字できっちり優劣が出たことに対して「頭がいい」とか「足が速い」という評価であれば、客観的であると言えると思うが、「仕事ができる」とか「性格がいい」というような、数値化しづらいようなものでは、評価のほとんどはその人の立場による主観である。
それゆえに、同じ人を良いと評価する人と、悪いと評価する人がいることは決して珍しいことではない。立場や価値観が異なれば、評価は変わってしまうからだ。 内情を知らないで、外から見ただけの立場で相手を評価すると、周囲から「バカなやつ」とか「浅はかなやつ」と自分が悪い評価を受けることもある。
「人を悪く言う人は基本的に周りから嫌われている」これはお父さんがこれまでの人生で信念として持っていることである。実際に周りの人から、「人を悪く評価ばかりする」ことで嫌われている人に、注意をすることもあるのだが、人を悪く言う人は不思議と「自分は正義に基づいて言っている」とか「俺は正しいことしか言っていない」という精神状態になっている。だからそれによって「自分が悪く思われている」という感覚がまるでない。一言で言ってしまえば「幸せな思考の人」である。
お父さんの周りで「嫁(息子の妻)がきちんとしていないので、よく注意をする」という人がいる。それだけでなく、息子や孫に「お母さんにきちんとするように言え」とも話している。嫁は面白くないので近づかないし、息子も孫も自分の妻もしくは母をけなす祖父が嫌いになる。結果として、息子家族はその祖父に会う機会をどんどんと減らしていく。 ところがその祖父は、孫には会いたいと思っていて、最近嫁が邪魔をして孫に会う機会がないと嘆いている。
お父さんはこの家族と仲が良いし、祖父も知っているのでどちらの話も聞くのだが、息子家族はせっかく会う機会を作っても最後は全員が嫌な気分になるので、今では必要最低限の交流しかとらないようにしているとの話だ。 孫に会えない祖父は自業自得だと、お父さんは思っている。だが祖父は嫁に対する不満をどんどん募らせているし、あちこちで嫁の悪口を言っている。それが嫁本人だけでなく、息子にも孫にも聞こえてくるので、お互いの関係は悪化の一途をたどっている。 その祖父に「家族の悪口を言わない方がいい」と行ったことがあるが、「世の中の大事なことを教えている」と言い直すつもりはないようだ。今後も孫に会えない寂しい生活が続くのは間違いない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.06.26 00:10:10
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