|
カテゴリ:エッセイ
イスラエルの戦闘の映像をテレビで見ながら、次女がどうして命がけで戦争をするのかと発言した。戦争なんてみんな嫌いのだから、なくなってもいいはずだと。実に若者らしい、純粋な考えだと思った。だがそれと同時に、それぐらいの感覚の人しかいないから戦争は無くならないのだとも思った。
平和な社会に生きている若い人は、命が一番大事であるという価値観をもつよう教育される。お父さんもそうだった。そして戦争はとても悪いことだと教育されるし、死ぬのは怖いので、ほとんどすべての子供達は戦争を「悪」「恐怖」としてとらえている。 大人になってもこのような意見のままの人が多い国ほど、戦争を止めることはできないだろうと思う。
お父さんが思うに、世の中には戦争が悪だと思っていない人が一定数いる。さらに言うと、話し合いや交渉を有利にするために武力を行使することを有効な手段だと思っている人もいるのだ。実際に武力行使は一定の効果を確実にもっている。 マンガのドラえもんで、皆がジャイアンの言うことに逆らえないのは、ジャイアンの武力が怖いからである。そして日本人はジャイアンの強さと、それに逆らえないのび太たちを普通に受け入れている。
平和が尊いものであるというのは、人類がもつ共通の価値観だとは思うが、一定の支配階級になると、自分の立場や組織を守るために武力を行使することを選択肢として持つようになる。そしてそれはある程度国民からの支持を得ることができるからこそ戦争は起こるのである。
もう一つ、宗教や思想によってはその価値を命より大事なものと教えている。これは別に特別なものではない。人間という生き物は、思想のために命を捨てることができる地球上では稀有な生き物である。 ただしお父さんはそれを、生物としておかしいとは思わない。多くの生物(動物)は、子供のために命を懸けて戦う。お父さんも子供や家族の命を守る為なら、できる限りの抵抗をするだろう。 それが家族、組織、宗教、思想とつながっているだけの事である。
そして、世界にいる人類すべてが同じ思想、同じ考え、同じ宗教になることは絶対にありえない。普段はそれを個性と呼ぶ人たちが、戦争までつながると「悪」と呼ぶのだから、世の中は不思議である。
そんな話をしても次女にはわからないだろうから、お父さんは次女に「戦争が無くなることは少なくとも今の段階ではない」というとともに、一つだけ世界から戦争を無くす簡単な方法を教えた。「地球上から人類がいなくなれば、戦争はなくなる」と。 ついでに犯罪をなくしたかったら、一番簡単な方法は「法律を無くすこと」とも教えておいた。どちらも究極の選択であるが、人類滅亡も法律全廃も人間は選択することはできない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.10.24 00:10:13
コメント(0) | コメントを書く
[エッセイ] カテゴリの最新記事
|