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カテゴリ:エッセイ
業界用語と一般的に言うと、芸能界などで使われている「隠語」のようなものを想像する人が多いのではないかと思う。お父さんも学生の時は、業界用語の業界とは芸能界の事だと思っていた。
しかしながら、社会人になると業界用語というのは、様々な業界で独自に存在するものであるということを知ることになる。お父さんは基本的に製造業なので、知っている業界用語は主に製造業のモノである。 製造業全般に使われているモノから、製品ごとに分かれるもの(電気製品、車、衣料など)や、材料によって分かれるモノ(鉄、アルミ、セラミックなど)など縦横の各業界で使われる「業界用語」は多岐にわたる。
芸能界の業界用語を一般人が知って使っているぐらいでは、知らなくても問題がないが、本当に芸能界で働いている人は、芸能界の業界用語を知らないと仕事に支障が出るだろう。同様に、お父さんが所属している製造業の世界でも、業界用語を知らないと会話が成り立たないとか、仕事の指示を間違えるといった大きな問題になることがある。
また業界用語とは異なるが、その業界でしか使われない略字というモノも存在している。画数が多い漢字をアルファベットやカタカナを使って略字にしてしまうもので、辞書に載っていないので、その業界に入って教えてもらうしかない。 お父さんも自分の業界でしか通用しない略字をいくつか使っている。パソコンが普及する前の古い手書きの社内文書にはこの略字が結構使われているので、知らないと意味が分からなくなってしまう。
業界用語というと、ちょっと堅苦しい漢字がするが、一般の人もそれなりに使っている。例を挙げると、ネットスラングと言われるモノや、ギャル語とか言われているモノも一種の業界用語と言えるだろう。 子供たちが当たり前の様に使う言葉がわからずに、戸惑うことは多々ある。最近当たり前に使われている「推し」という言葉は数年前まで一般には存在しなかった。おそらくまだ辞書にも載っていないのではないだろうか。
業界用語は必要に応じて出来上がっていくもので、多くは便利だから使われる。ちょっと話が飛躍するが、言葉というのは時代とともに変わっていくものであるので、業界用語が一般に広まることもある。ストレスという言葉は、今では精神的な重圧というイメージの言葉になっているが、もともとは工学の用語で、物体に掛かる力の事をストレスと呼んでいたモノを医学業界が転用したものである。
業界用語とは、何となく仲間意識というか、集団意識を増長させる。そのため、他業界の業界用語を知ると、ちょっとその業界に足を踏み入れたような気持になるのが不思議なところだ。小説などを読んでいて、自分の知らない業界用語を覚えると、ちょっとその業界に詳しくなったような気がする経験は誰にでもあるのではないだろうか。これからも様々な業界で新たな業界用語が生まれては消えるを繰り返していくのだと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.11.02 00:10:12
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