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2024.02.03
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カテゴリ:エッセイ

 小説など同じ本を読んだとしても、感想は人それぞれである。感動する人もいれば、心に何も響かなかった人もいる。面白かったと人から薦められた本が、たいして面白くないと感じた経験は誰にでもあるのではないだろうか。

 もちろん薦められて読んだ本が面白いと思った経験もそれなりにあるだろうと思う。ただし、何が一番面白かったかという話をしたときに、面白いと思った箇所が違うことは非常に多い。好きな登場人物が異なることも多々あるので、やはり本というのは万人に同じ感想を持たせるということはできないのだろうと思う。

 

 小説はあくまで物語なので、上記のようなことが起きても誰も不思議には思わないだろう。ただお父さんはこれがビジネス書や教科書などであっても同じことが起きると思っている。

 

 お父さんの会社はたまにではあるが、社長が読んだ本の中から、社員にも読ませたいと思った内容の本を、全社員に配ることがある。当然本を読んだ感想を提出することを義務付けられているのだが、お父さんは立場上、この感想を読んで確認する立場にある。

 やる気のない人とか、おそらく読んでいない人の感想をのぞいたとしても、感じることは人それぞれで、社長が「こう思ってほしい」という思惑の感想が出てくる割合は1割程度である。社長に集計して報告すると、「読み方が浅い」というようなことを言われるが、お父さんが答えを知った状態で読んでも、社長の思惑通りの感想とはならないのだから、そういうものだと思う。

 

 ビジネス書というのは、基本的に筆者が意図した答えを解説していくものなのであるが、それでも本を読んだ後の感想がばらつく。結局本を独自に読ませては、会社の思惑通りの意識にはならない。おそらく筆者の思惑通りにもならない人がたくさんいると思う。

 

 さて最後に教科書についてだが、これに関しては内容を覚えるものであり、同じ教科書で異なる知識を得る場合があるということはほとんどないと思う。ただし、同じ教科書を使っていても、理解できる人と理解できない人は確実に存在する。

 勉強が苦手な子供というのは、教科書の説明では理解できないのだと思う。もちろんどんな説明をしても理解できない子供もいるかもしれないが、完全に個人の感性に合わせた教え方をすれば、同一の教科書よりは理解できるようになるはずである。

 

 ちなみに個人指導をウリにしている塾というのが存在しているが、こちらもレベル別の教科書を使っていることが多く、最終的には先生の能力によって子供が理解できるかどうかが決まるとお父さんは思っている。

 

 本というものは、読む人の感性、経験、思想によって感想がそれぞれ違うし、筆者の意図したものが正解だとするならば、理解度も異なってくる。良いとか悪いとかではなく、そういうものなのである。






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最終更新日  2024.02.03 00:10:10
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