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カテゴリ:エッセイ
前にも書いているかもしれないが、人間と言うのは怖いものである。いろいろと怖さと言うのはあるかもしれないが、お父さんが一番怖いと思うことは、表面上の態度と心で思っていることは全く異なることが多々あるということだ。 自分が信頼していて仲が良いと思っている相手が、実は自分のことが大嫌いで、できれば付き合いたくないと思っていることなど珍しいことではない。そして、はっきりとそれを言われるまで、自分では全く気が付かないということである。
先日お父さんの上司が、仕事であるトラブルを起こしてしまった。本人は、自分は部下から信頼されているので、ちょっと誤れば人間関係というか、信頼関係はゆるぎないと考えているのだが、実際は「言動の矛盾」や「自分中心の考え方」が多く、部下からは嫌われている。嫌われているというより、この人はダメだとあきらめられている。仕事上の上司であるので普段はなるべくかかわらないようにしつつ、関わらなくてはならない場合のみ、上司の機嫌を損ねないように対応しているに過ぎない。
それでそれなりに会社は回っていたのだが、先日のトラブル発生時に、その上司の上司が、お前は部下から信頼されていない。態度を改めるようにとついに直接言ってしまった。しかしながら、お父さんの上司は、それを本当の事とは受け止めなかった。 そしてメールで関係者に「自分は嫌われていないよね」という確認メールを打つという暴挙にでた。言われたことにかなりショックを受けたための行動だと思われる。
結果として、メールを受けた部下達はその上司に、「私はあなたを信頼しています」という返信をした。というよりも、それ以外の返事はできない。そこで「実はあなたが嫌いで、信頼もしていません」と返信できる人はいない。書くなら会社を辞める覚悟をもたないと無理である。 その返事を見て、件の上司はお父さんに「やはり俺は部下から信頼されている」と返信されたメールを見せてくれた。しかしながら、上司から部下へのメールも、返信されたメールもSNSを通してスマホで社内に出回っていたことをこの上司は一生知ることはない。
話は変わるが、先日次女がクラスメイトから嫌がらせを受けているという話を聞いた。内容は他愛もないモノであったが、嫌がらせをしている子はすでにクラスでかなり嫌われていて、相手にされておらず、学校も休みがちだという。おそらく気の弱い次女を現在ターゲットにしているのだろう。次女に、はっきりと相手に「私はあなたが嫌いだから関わらないで」と言うように話した。それができずに嫌がらせが続くならお父さんが学校に連絡を取るからと。
次女がどうしたのかわからないが、その後1回もその子の話を聞いていない。ひょっとしたら学校に来ていないのかもしれない。思春期には精神が不安定だったり、上下関係を意識して、自分より下を作りたがるものであるが、これが高校や大学までにその精神から脱却できないと、周りから人がいなくなる。 お父さんも大学時代のサークルに、「俺様すごい」と必死でアピールしてくる同期がいたが、1年しないうちに周りから人がいなくなり、サークルに出てこなくなった。
面と向かって「あなたは今のままでは周りから人がいなくなる。少なくとも今は嫌われている」と言ってもらえるのは、せいぜい中学生までである。高校生以降は自分で気づくしかない。気がつかなければ孤立するだけである。 学生の頃は、こういうフェードアウトを組織的にやることもあるが、大人になると自然と個々人がやるので修復するのはかなり困難である。
最初の原因は基本的に自分自身にあるのだが、何が悪いのかも知らないままに周りから人がいなくなっていく。これが人間社会の怖さである。お父さんも自分がそういう状況になっているグループがあるかもしれない。だがそれに気がつくことは一生ないだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.03.04 00:10:10
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