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2024.06.05
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カテゴリ:エッセイ

 お父さんの好物の一つに「そば」がある。特にざるそばがお父さんの好物で、お店で食べるのも好きだし、家で食べるそばも大好きである。お母さんもそれなりにそばが好きなのだが、ざるそばよりかけそば派であり、温かいそばの方が美味しいと感じるらしい。

 

 さてざるそば好きのお父さんが、昔から抱えている問題がある。50歳を越えた今でもお父さんはこの問題を解決できていない。いや、ざるそばが生まれて何百年も経つと思うが、この問題は日本人が解決できていないと言えると思っている。

 その問題とは、そばつゆが食べているうちに薄くなると言うことである。

 

 ざるそばは、きちんと水切りしてあってもそばについている水が完全に取れるわけでは無い。ましてや家でそばを茹でた時などは、ざるの中で適当にしか水切りをしていないので、そばにはかなりの水がついている。

 その水がそばつゆを薄めていってしまうのだ。お店で食べるソバが、自宅で食べる時ほど薄まることは少ないのだが、塩分が少なめのそばつゆだと、やはり薄くなったと感じてしまう。

 

 そもそも人間の舌は味に慣れて刺激を感じなくなるものである。そばつゆも、最初の一口が一番濃いと感じ、徐々に舌が慣れてきてしまう。そのうえで麺つゆが薄くなってしまうのだから、これはお父さんにとって結構大きな問題である。

 そばの通(つう)と呼ばれる人は、そばつゆをほんの少しだけつけて食べるというし、それが「粋(いき)」だと聞いたことがある。実際に試してみたら、全く美味しく感じなかった。お父さんはたっぷりとそばつゆにつけて食べるのが好きなのである。

 

 自宅の場合は、濃縮のそばつゆを使っているので、そばつゆをたすと濃さも復活するのだが、お店のそばつゆは補充用のつゆがあったとしても、そばチョコの中に薄まったそばつゆが入っているので、すべて飲んでしまわない限りは最初の濃さを再現することができない。

 市販の2倍とか3倍の濃縮されたつゆは、お父さんが抱えるこのジレンマも考えての事かもしれないと思ってしまう(実際はサイズや重さが理由だと思うが)。

 

 冷たいかけそばがあれば、問題は解決するのだが、ざるそばがあるせいで冷たいかけそばというのは存在しない。冷やしタヌキそばや冷やしおろしそばは存在するし、お父さんはこれらも大好きなので注文することはあるが、香川系のうどんには、ぶっかけなど冷たいかけうどんがざるうどんとともに存在しているので、そば屋も見習って見てもよいかと思うが、おそらくあまり売れないだろう。なぜならお父さんもそばだけを食べるならば、ざるそばを食べたいと感じてしまうからだ。冷やしかけそばは、やはりざるそばの魅力とは異なると感じている。

 そばつゆをそばチョコごと交換していくシステムができることを願っている。






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最終更新日  2024.06.05 00:10:10
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