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2024.07.19
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 夏になるとお母さんとその他家族でエアコンをつけるつけないの争いが始まる。基本的にお母さんは寒がりというか冷え性というか、エアコン(冷房)が嫌いである。自分が暑い時は率先してつけるのだが、自分が耐えられるレベルでは誰かがエアコンをつけてもすぐに消してしまう。

 暑い寒いという前に、お母さんの言い分は電気代がもったいないである。会社で笑い話としてそんな話をしていたら、どこの家庭でも同じようなトラブルというか言い合いは発生していることが分かった。

 

 さて今回は、理系のお父さんが理論的(技術的)に話をしても、文系の勝手なイメージだけで全く話を聞いてもらえないという話をしたら、技術系同士でいろいろとあるあるが出てきたので、そんな話を書いてみようと思う

 

 まずエアコンについてであるが、家のクーラーでも車のクーラーでも出てくる風の温度は、温度設定に関わらず一定であることを知らない人は多い。クーラーの原理は液化している冷媒を高圧にして噴射することで気化させ、その気化熱により冷えた冷媒ガスを熱交換器に流して冷えた熱交換器に風を当てて室内に供給している。

 ここも勘違いする人がいるが、室外機があるからと言って、室外から空気を取り込んで室内に流しているわけでは無い。車のエアコンは室外の空気を取り入れるか、室内の空気を循環させるか選べるが、家に設置してあるエアコンは基本的に室内の空気を循環させているだけである。

 

 冷媒として使用しているガスは気化熱によって冷えているが、この温度の調節は今の技術ではできない。そもそも18度で室温を設定できるエアコンなら、冷媒のガスはもっと温度が低い。18度に部屋の温度を下げるには18度以下の空気が必要なのは自明だと思うが、わからない人もいるのだろうか。

 

 またつけたり消したりを繰り返して節電するという考え方も基本的には間違っている。今のエアコンは、設定温度まで室温が下がるまでは全力で動いている。当然消費電力も多い。そして設定温度になると、能力を落として運転している。設定温度まで全速力で走り、そのあとはゆっくり歩いているようなものである。ゆっくり歩いている間はそれほど電力を消費しない。これがインバーターエアコンである。

 

 つけたり消したりという行為は、エアコンに全力疾走ばかりをさせていることになり、つけている間は消費電力が多い。さらに全力疾走ばかりを繰り返すので、当然壊れやすくもなってくる。飛行機のメンテナンスが飛行時間よりも離着陸の回数で決まっているのは、離陸と着陸時が一番各部品に負荷がかかる為である。こういうたとえを出しても、そもそも文系の人は、飛行機のメンテナンスが離着陸回数で決まっていることを知らないことも多い。

 

 話がそれてしまったが、お母さんに言わせると理屈よりも印象の方が精神的に正しいので、問題はないそうだ。それよりもいちいち理屈で言われても腹が立つだけで「そうなんだ」とはならないらしい。分析をきちんとすればするほど、合理的な話をすればするほどダメならば、理系が文系に勝つことはできないということを最近理解し始めた自分がいるのが悲しい。






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最終更新日  2024.07.19 00:10:13
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