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カテゴリ:エッセイ
我が家のトイプードルが我が家にきてもうすぐ8年になるらしい。家族から愛されて、そこそこ幸せな生活をしている犬だと思う。よくペットに癒されるという話を聞くが、お父さんが子供のころから家で飼った犬の中で、もっとも癒しにならないのが今のトイプードルである。
今のトイプードルは、初めから室内犬として飼い始めた。それまでお父さんは室内犬を飼ったことがなく、すべて外につないで飼っていたので、初めは室内に犬がいることに慣れなくて、家の中に犬がいることに違和感しかなかった。 もちろん数か月もすればすっかり慣れてしまうのだが、我が家のトイプードルはいまだにお父さんにとって全く癒しになっていない。
最初のころは、昔みたいに動物に興味がなくなっているせいかと思ったが、最近父親が買い始めた猫と遊んでいて、気が付いた。なぜなら初めて会ったこの猫にお父さんは結構癒されたからだ。
我が家のトイプードルと父親の猫と何が異なるのか。それはお父さんになつくように絡んでくるかどうかの違いである。我が家のトイプードルは基本的にお母さんが大好きである。その他の家族はおまけでしかない。家にお母さんがいるときはお母さんのそばにしかいない。ほかの家族が呼んでも無視してお母さんのそばにいる。 またお母さんにだけ抱っこをせがむ。ほかの家族に抱っこされてもすぐにおろせと暴れたりして、体を預けてじっと抱っこしてもらうことはない。
ちなみにお母さんを除いた犬の好みの順位は、息子⇒お父さん⇒次女⇒長女である。長女は家をでてもう3年たつので今の順位が最下位なのは致し方ないところだろう。同居しているときは次女よりも長女だったかもしれないが覚えていない。 息子が2位にはついているが、1位のお母さんとはダントツの差がある。100の愛情を持っているとしたら、お母さんが90、息子が5、お父さんが2.5、次女が1,長女が0.5といった具合である。
お母さんも息子もいないと、お父さんにすり寄ってくるが、「やっぱりちがう」といった感じでまた離れていく。お父さんから撫でに行っても途中で逃げる。もちろんおかあさんのそばにいるときはお父さんが呼んでも一切無視である。 夜お父さんがトイレのために庭に犬を出すのが慣例化しているが、その時間にお父さんが近づくと逃げる。お母さんに捕まえてもらってから外の出すのがいつものパターンだ。
こんなことを8年近く続けているだけなので、お父さんは犬に癒されることはない。これまで買っていた犬は外飼いだったこともあり、近づいてくれる人には無条件でなついていた。よってお父さんも犬とのふれあいで癒されていたが、今のトイプードルはお母さんのみに癒しを与えている。つまり我が家で癒されているのはお母さんだけだ。
その他の家族にとっては水槽の金魚や鳥かごの中のインコとさして変わらないレベルの癒ししか与えていない。 その点父親の猫はお父さんの手にじゃれついていつまでも遊んでいたし、撫でれば気持ちよさそうにして、お父さんの足に体を寄せてくる。我が家の犬よりよほどお父さんの心を癒してくれた。
残念なことに、この癒しの理由に気が付いてしまったお父さんは、我が家のトイプードルは今後もお父さんを癒すことはないと理解してしまった。お母さん専用の癒し犬として今後も我が家で過ごしていくのだろう。実に残念である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.11.13 00:10:10
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