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2016年03月10日
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カテゴリ:陽明学
 
体充曰く、左候〔さそうろう〕はば
忠臣二君〔ちゅうしん じくん〕につかえずといえるごとく、
主君一人ならでは奉公せざるが正しき士道〔さぶらいどう〕にて候や。
百里奚〔はくりけい〕は虞〔ぐ〕の国をさって秦の穆公〔ぼっこう〕につかえられたり。
しかるを孟子〔もうじ〕賢智なりとゆるしめされたれば、
主君をかえて奉公するを士道にあらずと被仰候は、
かたむきなる評判にて候わんか。
 
師の曰く、それはもってのほかなる心得そこないにて候。
百里奚のごとく、心いさぎよく身おさまりて名利の欲心なく、
其の境遇の勢いやむことを得ずして主君をかえて奉公するは、古来ただしき士道なり。
只その心けがれて身おさまらず、立身の欲心をのみ宗として、
何のすじ道もなく、事勢のやむことを得ざるもあらで、
主君をかぞえて貪りまわるは士道にあらずとの評判にて候。
百里奚はもと虞の国の臣下なり。
虞の君不義のおこないありてたちのかでかなわぬ事ある故に、
已〔やむ〕ことを得ずして虞を去りて秦の国へゆかれたり。
この時とし既に七十になりぬ。
秦の穆公その賢をききおよびてよびいだしめされたるによって、事〔つか〕えめされたり。
主君をかえて奉公するところはわたり奉公に似たれども、その心と作法は天地懸隔なり。
しかるをおなじ口にてとりさたせんは無下にあさまし。
主君をかえたるを必ず正しき士道と定めたるも、
また主君をあまたかゆる正しき士道とさだむるも、
皆跡に泥〔なず〕みたる僻事〔ひがごと〕也。
心いさぎよく義理にかないぬれば、二君につかえざるも、
また主君をかえてつかうるも皆正しき士道なり。
そのおこなう事はともあれかくもあれ、只その心いさぎよく義理にかなうを、
ただしき士道と得心あるべし。





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Last updated  2016年03月12日 21時31分33秒



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