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テーマ:日本的なるもの(437)
カテゴリ:陽明学
一 朋友問う。むかしはかわりたる人ありしときく。今はなきことは、何ぞや。 云う。人も万物も、常なるもののすぐれたるはよし。かわりたるはあし(悪し)し。 今は、人々、何にてもかわりたる事のみ好み侍〔はべ〕るゆえに、 人にも万物にも、かわりたるもの多し。 かわりものは天下国家の害になるばかり也。 人心は霊なるもの故に、人心の好むことは、今までなき物も生ずるなり。 むかしは椿〔つばき〕もひとえの紅白〔こうはく〕二色〔ふたいろ〕ならではなかりしに、 人の好みもてあつかい(扱い)てより百花も出〔い〕で来たり。 近年〔きんねん〕又〔また〕五月〔さつき〕つつじを好めば、色々の花出で来ぬ。 人道に徳を好みなば、善人・賢者〔けんじゃ〕余多〔あまた〕出で来〔き〕なん。 貴殿のかわりものとの給うは、古〔いにしえ〕のすぐれたる人の事なるべし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020年06月26日 23時23分06秒
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