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2022年02月24日
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カテゴリ:陽明学
 
 一 心友問う。朱子、道心〔どうしん〕常に一身の主と成りて
人心〔じんしん〕毎〔つね〕に命〔めい〕をきくといえるを、陽明子、二心也といえり。
程子の、人心は人欲也道心は天理也、といえるを引いて云〔いわ〕く、
天理人欲並び立たず、何ぞ、天理主と成りて、
人欲の、命をきくということかあらむと。
程子・朱子・王(※陽明)子いづれも賢者なり。
他の文義においてはみる所かわり有れ共〔ども〕、
人心道心・天理人欲の所に此〔かく〕の如きたがいはあるまじき事ならずや。
 
 云う。尤〔もっと〕も心は一つなり。
人心の正を得〔う〕るものは即ち道心なり、二つあるにあらず。
惣じて、語を解くこと、古人の意をむかえて見ずして、言語文章のみを以てする時は、
古人の苦心かくれて見えざる故に、非をあぐることあり。
今、愚、朱子の意をむかえて見るに、人心道心、二つありとするにはあらず。
道心一心の主と成りて人心命をきくといえるものは、しばらくたとえをとれるなり。
故に云く、心の虚霊知覚は一つのみと。
性命の正に本〔もと〕づきて天理の上より知覚する時は、これを道心と云い、
形気の末〔すえ〕によりて知覚する時は、これを人心と云う。
尤も人心を人欲と見る所によりての文勢也。
堯舜伝授の人心道心は、天理人欲をさしての給うにあらず。
人欲なければ危しというまでもなく悪也。
危しといえるものは、今あしきにはあらざれども、あしくなる勢いをいうなり。
人心は、此の形〔かたち〕の有る間、形につきて知覚運動するものをさして云う也。
寒暑をしり(知り)飲食男女を知る也。
これを人欲と見るは異学(仏教)に似たり。人欲にはあらず。
義理の上より知覚して、寒をふせぐべき理〔ことわり〕に叶いてふせぎ、
暑をさくべき理に随〔したが〕いてすずしくし、
飲食すべき理ある物を飲食し、男女も礼ありて理ありて相親しむ。
これみな道也。何ぞ人心を人欲とせん。
寒暑其の分〔ぶん〕をこえて温涼を求め、飲食己れに得ざる物を飲食し、
男女礼をまたず理に叶わずして相〔あい〕交わるは、人欲の私〔わたくし〕なり。
此の形ある間は形に付きたる生欲〔せいよく〕あり。
此の生欲の好む所は実〔じつ〕にして虚ならず。
求めに応ずる物も又〔また〕形色あり。物あれば則〔のり〕あり。
故に、此の生欲の、節〔せつ〕に中〔あた〕るべき精霊の照しは、微妙にして声色なし。
精一の工夫おろそかなれば存〔そん〕しがたし。
精というは、心を神明にして、相火〔しょうか〕たかぶらず、
気にごらず(濁らず)、清浄の真楽〔しんらく〕存す。
故に形気のよくにながれず。
一は、一団の天理のみにて、形をふむもの也。二心なく二道なし。
陽明子、当世の学者の、心・理を二つにして
外に向い去るの病〔やまい〕を格〔ただ〕すに急なれば、
朱子の苦心を察し意をむかえて解くにいとまなく、
時の幣〔ついえ〕によりていえる成るべし。
又〔また〕程子の、人心を人欲といえるは、生欲の心なるべし。
かろく見て可〔か〕也。





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Last updated  2022年03月19日 06時51分03秒



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