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2022年03月24日
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カテゴリ:陽明学
 
 一 心友問う。俗楽〔ぞくらく〕・真楽〔しんらく〕の分〔ぶん〕いかむ。
 
 云う。憂苦を去りて悦楽を求むるは俗楽也。
天地の理〔ことわり〕、陽〔よう〕のみにして陰〔いん〕なきことはあたわず。
人生の境〔さかい〕、苦楽たがいにいたれり(至れり)。
苦をいとえ(厭え)ども去ることあたわず。楽を求むれども得〔う〕るあたわず。
たまたま楽を得ても楽中に苦を生ず。
況〔いわん〕や、患難の来たること、冬の寒気のいたるがごとくにして、ふせぐべからず。
故に、俗楽は、仏家にいえる水の泡の如く、電〔イナビカリ〕の影のごとく、
幻〔マボロシ〕のごとくにして、其の有無を定めがたし。
真楽は悦楽・憂患を以て二つにせず。
憂〔うれ〕うべくして憂うといえども、憂え、心中、
人欲のまじわりなければ、其の楽しみを改めず。
悦ぶべくして悦ぶといえども、其の喜び、心中、
人欲のまじわりなければ、楽しみて淫〔いん〕せず。
怒るべくしていかるといえ共〔ども〕、火気〔かき〕の動きなければ、
心体〔しんたい〕廓然〔カクゼン〕太公〔たいこう〕(大公)にして本体の正を失わず。
たとえば外人(※他人)の相〔あい〕争い相闘う者を見るがごとし。
其の非道なるは、我が心にも怒る。
いかるといえども、我にあづからざれば、心動かざるがごとし。
病苦といえ共、病〔やまい〕のために心体をくるしめず、常に快活の本然を失わず。
此の心の動かざるところ、則〔すなわ〕ち楽しみ也。
ひとり死生の理〔ことわり〕において、聖学の徒大体まどいなし。
昼夜の道とひとしき理はさとれり。
しかれ共、其の心、死にあたりては、
日くれていぬる(寝る)と同じくおもうことかたし(難し)。
ここにいたりて毫髪〔ごうはつ〕(※わづか)もいさぎよからざる所あるは、
全体においてまだ融釈〔ユウエキ〕せざる所ある故也。
されば、いまだ至楽にいたることあたわず。
世間、死をよくする者多しといえども、或いは名により、或いは学見により、
心を起こして、強いて安〔やす〕んずるなり。
昼夜の道に通じて知る者すくなし。





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Last updated  2022年03月27日 05時53分51秒



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