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2022年05月26日
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カテゴリ:陽明学
 
 一 旧友問う。平の清盛、常盤〔ときわ〕が色に迷いて、
敵の子を助けおき、子孫の憂えとなれり。
其の外〔ほか〕此の如くのためし多し。よくたづね求め殺すべき事なるか。
 
 云う。凡人より見る時はしかり。天命を知る人よりみればしからず。
色にまよわずして人の根〔ね〕をたつべきよりは、
色にまよいてなりとも助けたるはまされり。
義朝の子を残らず殺したりとも、清盛が悪虐〔あくぎゃく〕・
平家の奢〔おご〕りにては、外より敵おこりてほろぼさるべし。
平氏、天命にそむきて、みづから敵を生ずるなれば、誰ということはあるまじ。
迷いてなりとも助け置きて人の後をたたざる故に、
平家のほろぶるにも、子孫ここかしこに落ちとまりて今にたえざる也。
 
 
 
 
 一 心友問う。書簡中(*)、
「忠信を主とすは本体工夫也、意を誠にすは工夫本体也」と候は、
陽明子の学術、異学の病あるに似たり。如何。
 
 云う。予も、此の語意、中和ならずと思えり。
然れども、義において害なきが故に改めず。
忠信は人の人たる根本の徳也。誠は天の道也、則〔すなわ〕ち本体也。
誠を思うは人の道也、則ち工夫也。
忠信を主とすは誠を思うの義なり。誠意の誠は意を誠にするなれば工夫也。
然れども意〔い〕終〔つい〕に誠に帰するときは、誠の本体也。
故に工夫本体というなり。


 *『集義和書』巻四書簡之四
   一、来書略。忠信を主とすの語、諸儒の説を聞き候といえども、
  文義に依りて理を云う所はきこえたる様に候えども、
  今日の受用にて取りてはしかと得心〔とくしん〕仕〔つかまつ〕りがたく候。
  
   返書略。大学の伝に意ヲ誠ニスといえるは即ち忠信ヲ主トスルの工夫なり。
  忠信を主とするは本体工夫なり。意を誠にするは工夫本体なり。
  忠信を主とするは未発〔みはつ〕の時に誠を養うなり。
  意を誠とするは已発〔いはつ〕の時に誠を存するなり。
  誠は天の道なり。誠を思うは人の道なり。
  誠を思う心真実なれば、誠すなわち主となりて、思念をからずして存せり。
  是〔コレ〕忠信を主とするなり。
  又先儒の説に、真心〔しんじん〕に発する、これを忠といい、
  実理を尽くす、これを信というといえり。
  此の解おもしろく覚え候。






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Last updated  2022年05月27日 22時25分04秒



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