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カテゴリ:企業・ビジネス
【ムードでやる気を起こす】
◎~人生における大きな喜びは、「君にはできない」と 世間が言うことをやってのけることである。~ (ウォルター・バジョット 英国のジャーナリスト) ビール好きの人なら、アサヒスーパードライはご存知でしょう。 中でも、アサヒスーパードライは業界では有名な銘柄のひとつです。 アサヒビールは「夕日ビール」と酷評されるほど売り上げが低迷していた時代 がありました。 当時社内では活気や活力がなかったそうです。 その企業を優良企業に変えたのが、樋口廣太郎さんです。 樋口さんは、当時の住友銀行の副頭取でしたが、社内に不祥事が起き、その件 で頭取に諫言したことが原因でアサヒビールに出向させられたのです。 出向というより左遷人事です。 樋口さんは、この会社を立て直すことをチャンスととらえました。 そして、ライバル会社のキリンビールやサッポロビールの経営者に会って、 「ビールには何が一番大切なのか」と聞いて回りました。 返ってきた言葉は「品質第一」というものでした。 ビールは製造後、3か月で味が落ちるそうです。 アサヒビールは売れないので在庫が増える、回転しないので、古いビールが 増えていくという悪いサイクルになっていたこともわかりました。 古いビールを回収して処分するにしても、10億円以上のお金がかかることも あり、一向に改善しなかったのです。 そこで樋口さんはある計画を立てました。 社内で毎月行われていたビールデーに、あることを行ったのです。 それは、まず出来立ての新鮮なビールをみんなに飲んでもらいます。 二杯目に、回収したビールを飲んでもらいました。するとあちこちから 「こんなまずいビールは飲めない……」という声が出始めました。 そして樋口さんは社員に言いました。 「君たちが飲んだ二杯目のビール、まずいだろう。そのビールをお客様に飲ん でいただいていたんだ。これでは買ってもらえるはずはない。この古いビール を処分しようじゃないか!」 その後、古いビールの回収と処分がとりあえず終わったとき、 「これで、古いビールはなくなった。このことをお客様にお伝えしろ!」 社内はこの社長の言葉で、ムードが一変し営業マンは、 「うちのビールは新しいビールばかりです」と言えるようになり、自社の商品 を売ることにやる気が増していったのでした。 樋口さんは、社員のビール試飲会で社内の雰囲気を変えようと考えたのです。 これが新生、アサヒスーパードライが生まれた背景です。 経営者は社員のやる気をいかに引き出すか、これが一番重要な能力です。 これがあれば、売り上げも利益もついてくるでしょう。 また、個人のレベルでもやる気を自分で起こす力がある人は、人生の目標を しっかり達成しています。 『やればできる!』という自分の可能性を自覚し、理解し、目覚めること。 これを“自己効力感”と呼びます。 これは、自分の健康や予防医学の分野でも応用できるものです。 やればできる。 他人事ではなく、自分の可能性を信じることから人生は変わり始めます。 そういう人生を送りましょう。 (by ハートリンクス) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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