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カテゴリ:生き方
【勇気は出会いを引き寄せる】
◎~人は何度やりそこなっても、 「もういっぺん」の勇気を 失わなければ、必ずものになる。~ (松下幸之助) * * * 今回は、水谷謹人(もりひと)さんの著書から紹介します。 《メンタル(精神面)コーチの筒井正浩さんはこんな話をされた。 筒井さんと言えば、かつて大阪の履正社(りせいしゃ)高校野球部のメンタル コーチをして甲子園に導いたことがマスコミに取り上げられ、以来、ジャンル を問わず、いろんな人のメンタルコーチとして活躍している。 それまで年収1200万円以上稼ぐ高給取りのサラリーマンだった。 彼には夢があった。 しかし、それで食べていけるか分からない。会社は辞められなかった。 8年間、悶々としていたが、44歳のとき、会社を辞める決意をした。 最後の壁は「嫁さんにどう言うか」だった。 ある日、意を決して言った。 「夢ができたんや。仕事を辞めたい。 ただ、すぐには十分な収入がないと思う」 奥さんは一言、 「それなら私も明日から仕事せなあかんね」。 筒井さん、奥さんの懐の広さに感動した。 案の定、メンタルコーチの仕事はなかなか収入には結びつかなかった。 ひと月の収入が4万。これが16か月続いた。 「もうあかん」と思った。 そんなとき、人との出会いが彼の人生を大きく変えた。 最初のきっかけは、元神戸製鋼ラクビー部のスーパースター、平尾誠二さん だった。 平尾さんはラクビー日本代表の監督を引退後、講演イベントを主催した。 月1回の6か月間コース。毎回いろんなゲストを呼ぶというものだ。 1回目のゲストは元サッカー日本代表の岡田武史監督だった。 講演後、会場を出た筒井さんは、控室に入る平尾さんの姿を目にした。 「あっ、平尾さんや。話ができたらええなぁ」と思った。 その瞬間、「でもあんな有名な人と話をするなんて無理」という思いが頭を よぎった。 しかし次の瞬間、こんな思いもよぎった。 「このまま家に帰っても、ドアをノックして断られて家に帰っても、結果は 同じや。それなら0より1の可能性に賭けてみよう」 控室の前まで行った。心臓がバクバクした。ノックができない。 どうしようと思っているうちに、コンコンとノックしてしまった。 もう逃げられない。中から「ハイ」という声がした。ドアを開けた。 目と目が合った。平尾さんは「どなたですか?」という顔をした。 「今日、講演を聴いて感動しました。お礼だけ言いたくて、お疲れのところ すみませんでした」と言ってドアを閉めようとしたら、 「どうぞ入ってください」と言われ、びっくりした。 向かい合わせで座った。どうしよう。とりあえず名刺交換だ。 平尾さんは筒井さんの「メンタルコーチ」という肩書を見て、 「これ、なんですか?」と聞いてきた。 「スポーツ選手のメンタルをサポートするんです」と筒井さんが答えると、 平尾さんは急に興奮して言った。 「絶対この道でメシ食ってください。本気で応援します。 諦めないでください」 それから、平尾さんはその日のゲスト、岡田監督をはじめ、いろんな人を筒井 さんに紹介してくれた。ここから人生が劇的に変わっていった。 「ドアをノックしたら迷惑するんじゃないかと、みんな勝手に思い込んでいる けど、ノックしてごらんよ。扉を開けてくれるから。まず動こう。 動き出したら見える風景が変わってくるで」と筒井さん。 そして若い人たちにこんな一言も。 「僕のやったことは手首を2回動かしただけ。その時、必要なのは勇気や。 その勇気も最初の一歩だけでええんや」》 (参考文献:水谷謹人著 ごま書房新社 「いま伝えたい!子どもの心を揺るがす“すごい”人たち」) * * * 1964年、東京オリンピックが開催されましたが、少なくともその当時は メンタルコーチというのはない時代でした。 いわゆる『スポ根』と呼ばれるような“やる気”がすべてでした。 しかし、時代とともに、スポーツと心理学の相互作用についての考えが世界的 に広がっていき、スポーツメンタルという一つの学問が生まれたのです。 今では、スポーツではもちろん、一般のビジネスマンにもメンターの存在が当 たり前になっています。 筒井さんは、ドアをノックするために手首を2回動かしたことで、自分の 人生をさらに大きく動かすことができたのです。 ドアをノックさせたのは勇気でした。 その勇気がなかったなら、現在の筒井さんの人生もまったく違ったものに なっていたでしょう。 人間には、ココ、という時には勇気を出すことが必要です。 たとえ、その勇気を出して失敗しても無駄にはならないものです。 勇気とは人との出会いを生み、チャンスを生むものです。 (by ハートリンクス) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年07月11日 07時00分08秒
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