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カテゴリ:生き方
【あやまる勇気】
ミスや失敗はどんな人にでもあることです。 自分が正しいと思っていたことが、実際は間違っていた。 いわゆる勘違い、というものです。 しかし、ミスや失敗をしてしまったとき、即、「ごめんなさい」とあやまる ことがいつでもできるかというと、少しむずかしいこともあります。 もともと人は、自分のやっていること、考えていることは正しいと心の奥では 思っています。 ところが、正しいと思っていたことがじつは違っていたとすると、自分の心は 不快感を覚えます。 その不快感の原因を、自分が悪いと認めたくない心理もどこかにあるのです。 これがプライドというものです。 このプライドを、いつでも捨てることができるかどうかが問題です。 少し前の話です。 ロックミュージシャンの矢沢永吉さんが、全国ツアーを行いました。 そのときに、矢沢さんがツアーを取り仕切るイベンターに一つだけ条件を出し ました。 「ツアーのためなら、なんでもやるよ。 ただ、ライブが終わったら、必ずシャワーを浴びられるようにしてくれよ」 矢沢さんは、ライブにすべてを出し切る人で、大量の汗をかくのです。 ですから、ライブのあとはスッキリした気分になり、普通の自分に戻ることを 心がけていたのです。 ある、地方都市でライブが行われることになり、イベンターが会場に着き準備 を始めようとしたときです。 信じられないことに、その施設にはシャワールームがありません。 イベンターもスタッフも大混乱です。お客様はすでに集まり始めています。 今さら会場の変更などできるはずがありません。 イベンターは、矢沢さんとの約束を守れなかった自分に腹が立ちました。 そして、何か替わりになるものはないかと街中を探し回りました。 ようやく手にいれたのは、子ども用の簡易シャワーセットでした。 イベンターは、ライブの後ではなく、始まる前に謝罪しようと決心します。 もし、謝罪しても矢沢さんが怒り、ライブが中止になったらすべての責任は 自分がとろうと決めていました。 イベンターは自分の手違いで、シャワールームが準備できなかったことを心 から謝罪しました。 「こんなものしか準備できませんでした」と簡易シャワーを見せました。 「すべては僕のミスです。自分の責任です」と言い、頭を上げることができま せんでした。 すると、矢沢さんは「ヘイ、マネージャー」と声をかけました。 そして、「これからこのイベンターが持ってくる仕事、全部引き受けますから」 と言い残して、さっそうとステージに向かっていきました。 矢沢さんは、自分のミスを潔く認めて、それでもできる最善の方法で償おうと した彼の仕事なら間違いないだろうと思ったそうです。 あやまることができる人は、どこかに強さがあるということです。 強さや、自信がある人ほど、自分の弱さを人に見せることができます。 その素直さが、人間的魅力にもなるのです。 (by ハートリンクス) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年07月02日 07時00分07秒
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