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カテゴリ:生き方
【四つの徳】 人徳とは、その人が何か物や財産をどれだけ持っているかではなくその人の、 心のあり方や人柄のことを意味しています。 ドイツの哲学者・ニーチェが、人徳について次のように述べました。 『四つの徳を持ちなさい。 自分自身と友人に対しては、いつも誠実であれ。 敵に対しては勇気を持て。 敗者に対しては、寛容さを持て。 その他、あらゆる場合については、常に礼儀を持て』 ニーチェは徳の要素として、誠実・勇気・寛容・礼儀を示しました。 特に、「敗者に対して寛容さを持つ」ことは難しいものです。 以前、ゴムやホースを製造する会社を創業した十川栄(とがわさかえ)さん という人がいました。 十川さんはゴム製品を販売する小売店で働き、主人や得意先からも信頼され ていました。 ところが、店の主人が酒好きで経営をおろそかにしたことが原因で倒産して しまいました。 店には債権者が押しかけ店の商品や家財道具まで差し押さえられ、従業員 も店を出ていきました。 ところが、十川さんは取引先から誘われ、新しい勤め先に行くこともでき たのですが店に残りました。 そんな十川さんに、どうして店に残るのかと聞いた人がいましたがこう答え ました。 「私は給料の額で自分の行く道を決めたりしない。 これまでお世話になったご主人を見捨てるようなことはできない」 そして、店の主人の家財道具が競売にかけられた日、十川さんは自分の貯金を すべて下ろして買い取り、ご主人に渡しました。 その後十川さんは独立しますが、人柄を見込んで彼の事業を援助したいという 人が現われました。 十川さんは会社が大きくなると、元のご主人を工場長に迎えました。 そこまでする必要はないと言う人もいましたが、十川さんは、 「ご主人は、私の恩人である。ご主人が仕事を教えてくれたから、私は今の 道に進むことができた」と周囲の人に語っていたそうです。 彼は、ニーチェの言葉にある、“敗者には寛容さをもて”、という精神をその まま実行しました。 人として寛容であるためには、人を含め自然や社会からの恩恵を受けている 事実に気づくことが大事です。 恩恵を受けていることへの感謝の気持ちが、寛容な心につながり人徳を身に つけることになります。 (by ハートリンクス) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年07月01日 07時00分18秒
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