【書籍感想】八咫烏外伝 烏百花 蛍の章
書籍の感想です。今回は「八咫烏外伝 烏百花 蛍の章」です。八咫烏外伝 烏百花 蛍の章 [ 阿部 智里 ]八咫烏シリーズです。第一部とでも言うべきシリーズは「烏に単は似合わない」から始まって「弥栄の烏」まで読み、世界観も物語の構成もとても面白く読んでおりました。この外伝を手に取るまでかなり日が空いてしまい、登場人物も忘れかけていたのですが、そんな私を気遣うように本編での出来事も少しずつ織り交ぜながら、外伝として各キャラクタが息づく姿はとても良かったです。浜木綿が実家である南家から疎まれているのは分かっていましたが、こんな過去があったんですね。そしてその時から若宮と繋がりがあったんですね。そして雪哉。こんなにクールだったっけ?こんなに表裏のある性格だったっけ?ちょっと印象変わりました。私が一番好きなお話は「まつばちりて」というお話です。女性なのに男性のように仕事をする女官のお話です。宦官みたいなものなのかな?書の才能を認められ、女性としての己を捨て、大紫の御前に仕えることになった「まつ」好意的に受け入れてくれる者の中で忍熊という男性の官吏だけ何かとまつに突っかかる。何年もそのような関係が続き、天敵とも言うべき存在と思っていたのに、突っかかる理由は単なる「嫌い」とかではなかったのです。忍熊はどう見ても女性のまつが男言葉を使い、男性の服装をしているのが見てられないと思っていたのです。そしてまつが危機に陥った時に忍熊が取った行動はまつの心を大きく揺さぶるのでした。そしてまつが取った行動は・・・ちなみに、登場人物たちは八咫烏で鳥の姿にも人の姿にもなれるのですが、そんな彼らだから話を遮って割り込む描写の時に「くちばしを挟む」とか書かれていてクスッと笑えます。いやー、やっぱりこのシリーズ好き。