カテゴリ:第1章 哀しみに散る花
星がサラサラと音を立てて流れそうな夜。 私とジョージはコンサバトリーでベンチに腰掛けながら空を見上げた。 そして、私達を包む何億光年、何万光年も昔の星の瞬きをただ黙って見つめていた。 「不思議……。あの星の光が地球に届くのに何万光年とかも掛かるなんて……」 溜息を吐きながら呟く私の唇をジョージは軽く啄ばんだ。 「星達に見られちゃうわ……」 私が笑いながら、ジョージにお返しのキスをしていると、ジョージは優しく私を抱き締めた。 「星達が見るのは1億光年後かの残像だよ。その時には僕達は……」 「もうこの世にはいないのね」 何だか本当に不思議な気がすると同時に切なくなった。 「星の一生に比べれば僕らの一生なんて、きっと星が一瞬きする瞬間もないかもしれないな」 「じゃ、このキスもそれに比べるとあまりも短過ぎて、神様も見落としていらっしゃるかもしれないわね」 「神なんていないさ」 「いらっしゃるわ。だって、こうしてジョージが振り向いてくれて、私のこんなに近くにいてくれるんだもの。奇蹟だわ……」 「アリシア……」 ジョージは、私に覆い被さるように熱いキスをした。 こんなキス……今までしたことな……い キスに眩暈がするなんて…… ジョージは耳元に唇を移動させると、「愛しているよ」と囁いた。 「私も……愛し……。あっ!」 ジョージの手が私の胸を優しく撫でていた。 私は驚き、体がビクンと揺れた。 ジョージは少しずつ布の壁を超え、そして遂にはその温かい手の温もりで私の胸を包んでいた。 「柔らかい……」 私は恥かしさで今にも消えてしまいそうだった。 ジョージの手が動くたび、体がしなり揺れた。 「可愛い……アリシア……」 ジョージの唇が私の唇から離れ、徐々にその唇を下へ下へと這わせていった。 体が熱い…… 恥かしくて恥かしくて、死にそう…… ジョージは、私達兄妹がこうして愛し合うことは神への背信だと言った。 でも、それでもいい…… 罪を受けても、私はジョージに愛を伝えたかった。 やがて、ジョージの唇が胸の頂きを捕え、ゆっくりと唇で弄び始めた。 言葉にならない声が漏れ、頭が痺れそうな感覚に酔いしれていた。 星の瞬きに目を凝らし、やがてその目をコンサバトリーの木々に移しながら、私の目はひとつの翳を捕え、体が一瞬にして凍った。 蒼い瞳のその男の翳は私の目をじっと見つめて佇んでいた。 「エド!」 私の叫び声にジョージも驚き、体を起こすとその方向を見た。 私は息を弾ませ胸元を閉じながら、じっと木々の隙間に目を凝らした。 だけど、気のせいだったのか 木々の奥は、漆黒の闇が広がっているだけだった…… ↑ランキングに参加しています♪押して頂けるとターっと木に登ります 「フラワーガーデン1」はこちらです。良かったらお楽しみ下さい♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.04.22 07:10:26
コメント(0) | コメントを書く
[第1章 哀しみに散る花] カテゴリの最新記事
|
|