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カテゴリ:きぬきぬ日記





asunosinwa01.jpg



渋谷駅にある岡本太郎さんの巨大壁画「明日の神話」に
爆発した四つの原子炉建屋を描いたベニヤ板を、
壁画とつながるように、横にチョイ付けした件で、




asuenosinwa03.JPG


「Chim↑Pom]というアートグループが自分達の行為だと認め、
軽犯罪法違反(はり札)容疑で書類送検されたそうです。


これらの行為を嫌悪の目で見る人達は「当然だ」と言いますし、
岡本太郎の壁画の意味から、文脈のつながりを読み取れるという人達は
「これは美術のパフォーマンスだから笑って赦せ」と言いますし、
ネット上でもこの二極化だったみたいですネ。

…スピさんはというと、
ぶっちゃけ、Chim↑Pomに興味ないんですが(苦笑)
『芸術か犯罪か?』という点において、ふと
1965年に裁判となった「千円札事件」を思い出しました。





*******







「千円札事件」は、




「ハイレッドセンター」という
前衛芸術(ネオダダ)のグループの一人
赤瀬川原平が、
1963年に千円札を肉筆で200倍に
模写した事から始まります。


{復讐の形態学(殺す前に相手をよく見る)} 1963




赤瀬川はこの模写に飽き足らず、
千円札をオモテのみ・一色刷で印刷し、
印刷した紙を『包装紙』や『招待状』として用いました。

HRC03.JPG
{千円札梱包作品} 1963(押収品)

HRC01.jpg

上:第6次ミキサー計画 {中西作品・パフォーマンス} 1963
下:第5次ミキサー計画 {梱包椅子の岡本太郎} 1963




これらが、ひょんな事から警察の目に止まり、
通貨及証券模造取締法違反で起訴され、『千円札裁判』となりました。

この時、赤瀬川は「千円札の偽物」ではなく「千円札の模型」と主張し、
法廷の場で前衛芸術やハイレッドセンターの活動を説明するために、
押収品や証拠品を法廷に並べたそうです。




HRC04.JPG

{法廷写真} 1966

この時、法廷の場は、さながら
前衛芸術オブジェの展覧会のようだったそうです。






…当時は60年安保直後でしたが、
司法は赤瀬川を反体制運動家と混同せず、
『思想的変質者』とし、作品を『芸術でもあり犯罪』と示し、
1967年に執行猶予付きの有罪となりました。

(赤瀬川を支援する芸術家の中にも、赤瀬川の行為を、
バタイユの云う異質性(呪われた部分)と見なし、
司法と同じ見識をもつ人がいたそうです。)



バタイユ・呪われた部分有用性の限界

(ちなみに岡本太郎はバタイユと交流があったらしい。)







*******



…さてさて、
これら一連の出来事(1960年代)の頃、
まだスピさんは生まれてません。(笑)

1995年、名古屋市美術館で行われた
『赤瀬川原平の冒険』という回顧展(市美術館・毎日新聞社主催)で
一連の作品や起訴状、法廷写真を観る事が出来ました。


回顧展を見てスピさんが思った事は、
芸術が、芸術に全く興味の無い人達の前に飛び出し、
「どのへんが芸術なの?」と、一瞬でも意識させた意義は
(賛否はどうあれ)大きいように感じました。

しかも、マスコミや新聞に酷評されればされる程、
美術に興味のない人から注目される「異質っぷり」や、
柔道の投げ技みたいに、法廷をコロリと美術館に一変させた
「ハプニングぶり」を見るにつけ、
むしろ完成度が高くなったようにも感じられました。




*******



さてさてさて、今回の「Chim↑Pom」の件では、
「千円札事件」と比較すると犯罪の重さに違いはあるものの、
「ハイレッド・センター」と方向性は同じなのかなぁ?
なんて、ちょっと思いました。

…なので、もしも彼らを擁護する美術愛好家の中に、

「今度の個展は法廷でやればイイんじゃね?(笑)」

…みたいな事をジョークまじりに言える人が居たならば、
日本のアートは、やっと45年前を咀嚼できたのになぁ…。



…な~んてネ、ほんのちょっとだけ、ほんのりと、うっかりと(笑)、
スイ~ツな主婦が思っちゃったりしちゃったのでした。(笑)















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Last updated  July 8, 2011 01:53:05 PM
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