DVD【キスカ・太平洋奇跡の作戦】その1☆
東宝は今年(正確には昨夏)から古い戦争映画をDVDシリーズで再販を始めた。その中でも【キスカ・太平洋奇跡の作戦】は戦略研究家は必見の映画である。なんといっても、これは成功した撤収作戦であるから、ガダルカナル撤収作戦よりも生還者が多く、当時の参謀など幹部たちも映画撮影の現場に立ち会っている。何といっても人間関係の再現がうまくできている。DVDの一場面一場面に非常に含蓄のある教訓が引き出せるであろう。【キスカ・太平洋奇跡の作戦】出演: 三船敏郎, 山村聡, その他 監督: 丸山誠治 特撮監督:円谷英二 --------------------------------------内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)太平洋戦争が激烈さを増し米北太平洋艦隊に包囲されたキスカ島守備隊員の命を救うため、日本海軍第5艦隊第1水雷戦隊は、わずか12隻の艦隊で米艦隊の真只中に突入していく。勇猛果敢な作戦の全貌を、指揮した大村司令官を中心に描いた戦争ドラマ。◇レビュー Amazon.co.jp 太平洋戦争における日本の敗色が日増しに濃くなっていく昭和18年7月、アメリカ北太平洋艦隊に包囲されたキスカ島守備隊5200名を救出すべく、日本海軍は大村少将(三船敏郎)指揮の第5艦隊を派遣。やがて大村は、濃霧の中、敵艦隊を突破する作戦を実行に移した……。太平洋戦争秘話として知られるキスカ島救出作戦を題材にした戦争スペクタクル大作。日本の戦争映画には珍しく負け戦ではなく、さらには死傷者の出ない撤退作戦ということもあって、後味もどこか爽快という、稀有な傑作でもある。監督の丸山誠治は本作の成功によって、以後東宝戦争映画路線の旗手として活躍することになった。特撮の神様こと円谷英二特技監督による特撮シーンの数々も、モノクローム映像の効果ともあいまって見事リアルに映えている。團伊玖磨による主題曲「キスカ・マーチ」も、日本の映画音楽を代表する名曲として、ファンの評価が高い。(増當竜也) __________________1943年は日本海軍の「負け年」だった。前年の42年6月にミッドウェイ海戦に敗退。8月にアメリカ軍がガタルカナル上陸、いわゆる「餓島争奪戦」で大本営は兵力の逐次投入戦術という大失敗をやらかす。43年2月、悲劇のガダルカナル撤収。4月18日、ラバウル視察中の山本五十六連合艦隊司令長官が敵機攻撃にて戦死。5月にアリューシャン列島のアッツ島守備隊が玉砕、全員戦死。この悲劇に、海軍軍令部の中に「キスカ守備隊を何とか撤収させよう」という気運が出る。ここからドラマがはじまる。