刑務官でもなく、その道の人でもない普通のサラリーマンだった人が自分の経験を書いたものなので、とても客観的に描かれていて、報道でしか知らない裁判の様子や刑務所での生活がよく分かります。
ビックリしたことのメモ
- 裁判官が検察調書を読んでいないこと、有罪ありきの裁判
- 国選弁護人の報酬があまりにも少ないので勝訴はほとんど望めない
- 保釈金は有罪無罪にかかわらず、裁判が終了したら、全額返還される
- 受刑者には自分の意思を表示できない知的障害を持った人、高齢で認知症の人などがいて、なぜ自分がここにいるのかも解らない人が多いという事実
- 作業もできない受刑者の世話は刑務官ではなく、受刑者の中から選ばれた人が行う
- 出所後にハローワークに行って事実を前歴登録すれば求人はないが、虚偽登録は許されない
- その結果家族もなく家もなく住所不定の出所者は生活するすべが無く、生活保護のお世話になるか、再度犯罪を犯して刑務所に戻るしか道はない
他にもいろいろあるけど、またもや、マスコミの過剰な報道によって間違ったイメージを植えつけられていました受刑者の支援体制が無いことによって、刑務所の収容人数は定員を上回り、多大な税金が投入されているこの悪循環
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
この本は元刑務官や極道など「その道のプロ」の体験記ではなく、20年間サラリーマン生活を送ってきた、ごく平凡な市民の目線で、逮捕から拘留、裁判、服役という「受刑サイクル」をわかりやすく紹介するものです。