【篠笛】晒女(近江のお兼)
今回の篠笛は晒女です。お勉強お勉強。●晒女長唄。作詞:二世桜田治助、作曲:四世杵屋六三郎文化十年(1813)六月、江戸森田座で七代目市川団十郎により初演。元々は、近江八景にかけた八変化舞踊の1つで長唄と常磐津の掛合いでした。暴れ馬を止めるほどの怪力の女の伝説を作品にしたもので、盥に晒し布を入れ脇に抱えての登場、馬を押えつけたり立ち回りもある快活な踊りです。「晒女」(さらしめ)とも言われます。馬が登場する場合と出ない場合があり、それぞれ最後の決まり方が違います。怪力女子のお話のようです。巴御前がモデルになっているとか?!とめて見よなら 菜種に胡蝶梅に鴬 松の雪 さてはせな女が袖袂しょんがいな 色気白歯の団十郎娘強い強いと名にふれし お兼が噂高足駄まだ男には近江路や晒し盥のたがなぶろうと恋じゃいやいや角力でならば相手選ばず渡り合い ありゃりゃりゃよいやさ四つに組む手をほどいてそして引手押切り腕取り 投げの情の取組が面白かろでは ないかいな力試しの曲待ちは 石でもごんせ俵でも ござれござれにさし切って五十五貫は何のその 中の字きめし若い衆も女子にゃ出さぬ力こぶほんにほおやれ逢う夜はおかし折を三上の文さえ人目 関の清水に心は濡れて今宵堅田に老蘇の森と返事信楽待たせておいてまだなことじゃと心で笑い嘘を筑摩の仇憎らしい 更けて今頃三井寺は何処の田上と寝くさって 夢醒が井の鳥篭の山こちは 矢橋の一と筋にほんに粟津のかこち言思い大津は初秋に かがみの宿の盆踊り天の川星の契りも岩橋の明くる佗しき葛城の神ならぬ身は末かけてよいやなよいやな誓紙の上もかささぎの橋うらに立つ笛竹も一とよぎりとは聞くつらさ八声の鳥にせかれてはよいやなよいやなたきもの姫のうつり香をねまきながらの 起き別れ よいやなよいやな 笹の一と夜を縁結び野路の玉川萩こえて色ある水に晒し布やさらして振を見せまいらしょう見せまいらしょう立つ浪が立つ浪がぜぜのあじろにさえられて流るる水をせきとめよ せきとめよさっさ車の輪が切れて切れて何れ思いはどなたにも どなたにも晒す細布 手にくるくると晒す細布 手にくるくるといざや帰らん賎が庵へ(赤字が笛部分)