ヒイロ、第二の旅立ちの日
眠るように往ってしまった愛犬にいぬが探してくれたペット霊園は例のお坊様の「めんどくさい」なんてことはぜんっぜんなくて、それどころか気持ちに寄り添ってくれるとてもとてもありがたい所でした。 値段はやはり安くは無かったです。 けれど、「蔵いぬになるいぬを春まで頑張って待っていようね、またお散歩しようね」そう約束していたし、闘病にそれだけお金がかかることも覚悟していたので(オイルヒーター、尿パッド、老犬用エサ、治療費など等)そう思ったら正直「お金がかかるからって気を使って早く往くことは無かったんだよ、もっとたくさん甘えてもらう予定だったのに」そんな風に思えて、思わぬ早い別れに面倒を見るお金に使いたかったなぁとただただ悲しみとも空しさとも寂しさとも言いようの無い気持ちがこみ上げてきました。 ヒイロを愛してくれた人々からなんとカンパをしてもらいました。 「死んだ日はわんわんわん(11月1日)忘れられないように仕組んだな」今時ドラマでも漫画でもこんなのないぞぉ…と軽口をたたきつつ。--------------------------------------------- 11月2日 とある霊園にて朝予約を取る 2:30に予約が取れる 午前中は毛をすいてやる。 正午 綿のシーツが良く燃えるということで綿の使っていないシーツを巻いてあげようとしたら、母が 「一人は寂しいよね、おかーさんが使ってるおかーさんのにおいのするシーツにしてあげるね」 良い所を取られたと思った。 1:00 シーツにくるんでダンボールに入れて、顔を見えるようにして花を入れていざ霊園に出棺 いいところを母に取られたので、ふこは髪の毛をその場でブチブチッと抜いてシーツの中に入れてあげる。 「おねーちゃんの匂いも一緒だからね、怖くないよ」 2:30 霊園への道に迷うも、どうにか到着 喪主はふこになってしまった(いいのかな(^^; お坊さんが丁重にダンボールを持ってくださる。 うちの犬は重いので(14キロ)恐縮でした。 たくさんのペットが横たわった台にうちのヒイロも横たわりきれいな布をかけてくださる。 書類を書いて、思ったよりご立派な卒塔婆ができる。 「○○家愛犬ヒイロ号」 晴れがましいなぁ。ホントは生きているうちに晴れがましくしたかったね。 お焼香をすませ、簡単な念仏を唱えてくださいました。 (コースによってはなんと20分も唱えてくださるのです。ふこのは一番安いのにしたのに、その心遣いが心から有難かったです) 3:00 最後のお別れのときです。 このときも念仏を簡単に唱えて下さり、ずっと職員の方も私と父と母の気持ちに寄り添ってくれました。 たかが犬と思われるかもしれません。 けれどされど犬。 寒い日も暑い日もずっとずっと家を見守ってくれた番犬に引退したらのんびりしてもらいたかったけど出来なかった、涙が止まりません。 病気を聞いたときから最後まで闘う、最後はきちんと看取る。そう覚悟していたから、最後の最後まで目に焼き付けました。 いぬは仕事をしていたので、時間だけ伝えて「もし思い出したら、少し旅立ちの時に思い出してね」といっておきました。 いぬは前日まだ暖かいうちに 「また会おうな」 「また絶対生まれて来いよ」 そんな風に声をかけてくれていたので、ただただ気が動転していたふこには、いぬが大きくみえました。 父母私、みな号泣。 父は「また絶対会おうな」 母は泣きすぎて「最後は居たくない」という始末(けど居ました) 私は「良い旅になりますように」 こんなことを思っていました。 ~5:00 霊園の二階は沢山の犬や猫や鳥ハムスター、うさぎが納骨されている素敵な空間でした。 テーブルには温かいお茶と好きに食べていいお菓子があって、こういう心遣いには本当にホッとしました。 三人でヒイロの思い出話をしていました。 しかし時間がかかるので、「忘れられているんじゃないか」と心配になって聞いてみたら「大きいので少し時間がかかる」とのことでした。 5:00~ 骨ッコになった小さなヒイロに職員さんが「これがのど仏ですよ~」「最初は二人で拾ってくださいね」「最後は頭を乗せます」と優しく教えてくれます。 念願の犬歯は一本残っていました。 14歳という年を考えると残るかどうかは微妙といわれていたからです。 そんなわけで、一通りのお別れがすんだのでした。---------------------------------------------