|
カテゴリ:形成外科
兵庫県西宮市の「なつクリニック皮膚科・形成外科」のブログです。医院の詳細はこちらから。 三宮・芦屋・梅田からもすぐ。↓ http://www.natsu-clinic.com こんにちは。こうも暑いと、12時頃になると、クリニック前の兵庫県立芸術文化ホール前も、めっきりと人通りが減りますね。 そんなわけで、ここ数日は お昼の12時くらいの診察は空きがあります。 さて、最近 低刺激トレチノインとハイドロキノンクリームのお話が続いておりましたので、今日は全く変わって、形成外科的治療について書こうと思います。 当院では 手術を行っておりますが、皮膚腫瘍一般は皮膚科のクリニック内で手術が出来る施設は稀で、近隣の先生方でも 「アテローマ」「脂肪腫」などの皮膚腫瘍の切除に関して、当院に紹介してくださいますので、お昼休みの時間などを利用して、手術を行っています。 また、ホクロの治療希望の方も多くいらっしゃいます。 ホクロに関しては、とり方は実は色々あって、その部位とその方の希望に最も合った形で行っていきます。 お顔の目立つ部分に 大きなほくろが出っ張っているのと、頬に小さなホクロがたくさんある場合とではまったく治療法が異なります。 かなり高齢の方で大きなホクロがあればまず手術により切除いたしますが、だいたいは、「とにかく綺麗に治したい」という方がほとんどですので、いろんな方法を駆使して、部位ごとに取り方も変えていく事もあります。 なるべく傷を目立たせずに、テープも2週間貼るのは困る、といった方には数回通院して頂く事が前提で、特殊な方法で行っていきます。 この方法は、開業してから行っている方法で、市中病院で勤務していたときは、「機材がない」、そこまでの手間はとれないといった理由と、また保険治療の枠内では限界があり、また自費治療でとなると非常にややこしい手続きをふまないといけないので出来なかった方法です。 ですので、色々あるといっても、大病院ではわざわざこの方法はとらないと思います。 また、子供さんのホクロやあざの治療といった例もあります。 あざと言っても、生まれつきのかなり大きなもので、獣皮様母斑といって、相当大きなものや目立つものもあります。 女の子の赤ちゃんで、これがあると、やはりご両親はかなり心配されますし、治療してなるべく目立たなくする方がよいと思います。 これらの治療は一次的な加療ですが、これらに加えて、他院での手術瘢痕に対する治療や、怪我による傷跡の治療なども行っています。 手術瘢痕では、肥厚性瘢痕になってしまった例(多いのは帝王切開後の傷跡)、や、 美容外科手術の瘢痕(たとえば鼻翼縮小後の鼻翼縁の傷なども・・・)に、傷跡を目立たせなくするレーザーを行ったり、といった感じです。 傷を綺麗に治すには、初期治療がもちろん大切ですが、その後の傷跡のケアが非常に重要です。 帝王切開や外科手術後の瘢痕は、未だに放置されている事が多く、もっと早く来ていただけてたらな、という例も非常に多いのが現状です。 そして成熟瘢痕といって、傷の変化が落ち着いた状態になったのに、その後も肩やひじ、膝など、部位によってはケロイドを生じたりすることもあるので、その後の管理がいかに重要か、ということになります。 加えて、かなり目立たない瘢痕や、細くて長い瘢痕は、以前は手術加療の対象でなければ、これ以上の治療はできません、と大学病院や市中病院でいた時はそう説明していたのですが、今は炭酸ガスフラクショナルレーザーのエコツーがありますので、かなり綺麗に治っている細い線状瘢痕や、落ち着いている状態にある肥厚性瘢痕のあとの赤みなども、加療できるようになりました。 これらのうちどれかに当てはまる場合でなければ、羅列してしまっただけなので、具体出来には何をするんだ、と思われるかも知れませんが、 先日他院での治療後にいらっしゃった患者さまがいらして、初期治療とその後の経過のフォローが如何に大切かを痛感したので、今日は改めて、こういう事もやっています、というご案内をあえてしてみました。 疑問点はいつでも診察時にご質問ください。 看護師も相当な知識を身につけておりますので、お聞きになりにくいときはスタッフに気軽に聞いていただいてもよいかと思います。 術後瘢痕などが術後のケアが足りないために、傷跡が醜い状態になり、悩んでおられる方や、痛みや痒みがひどくて困っている、というお話を伺うと、形成外科領域からの、他科に対する啓もう活動不足を痛感、草の根でも私たちが行っていかなければならないのだと思います。 傷には消毒薬を使用しないという表現や、wet dressing などといった用語も時折目にしますし、Johnson and Johnson のキズパワーパッドなどもご存知の方も増えてきているようですので、傷の初期治療に関しては、私が医師になりたての頃よりはずっと一般の方の認識もかわってきているのかもしれませんが、それでもまだまだです。 インターネットの発達により、どんな情報も取り入れられるようになった反面、間違った情報に振り回されずに、よりよい治療がより多くの人へ広がるように願っていますし、その一端を担うべく、努力を惜しまないようにしたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.08.25 11:55:30
|