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風流先生の貧乏金なし

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2019.03.27
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気付かなくてもいい。
知らなくてもいい。
今自分がどこをどんな道を歩んでいるかなんて。

耳を塞げ。
目を閉じろ。

全てを対岸の火事にしろ。
私には何も関係ないことだ。

「彼ら」は「我ら」ではない。


気付くな
奈落まで続く落とし穴に。





the LAST day



(月)



嘘みたいに真ん丸の月が大きく輝いている。
あの頃と同じ月が。

縁側に出た老夫婦が虫の声に耳を傾けつつ
当たり障りのない会話をしている。
頑固そうなその旦那は遠い目をしながら月を見る。

「あの頃と一緒の月だあ。
お前には迷惑を掛けたが、あやまりゃあせん。
ただ感謝しとる。
ありがとう。」

「柄にもない。何をおっしゃいますやら。」

夜は次第に更けていく。

「あなた、そんなところで寝ていると風邪引きますよ。」

あの頃と何も変わらない月の下で。

(火)



都内
某所。
築何十年のボロアパート。
白髪の多く交じる男はご機嫌だ。

呑気に口笛なんか吹いている。
そのメロディは男の小さい頃から愛して止まない歌だった。
産まれてからずっと大切にしていた宝物を一つ
薄汚れた部屋に並べてみた。
真っ暗な部屋の中で男は宝物に囲まれて実に幸せそうに見えた。
電気も止められた暗い暗い部屋で。
その日は男の誕生日だった。

フンフフーフーフーフー
口笛は鼻歌になって
例の誕生日の歌を一人口ずさんでいる。

ケーキはないけどロウソクはある。


周りには沢山のポリタンク。



俺は俺の事を忘れない。


男はロウソクにそっと火を灯した。
真っ暗闇に広がる
温かい光が男の宝物を照らした。


(水)



白いファミリーカー。

前部座席には夫婦が。
後部座席にはまだ小さい子供たちが3人座っている。
一様にぐっすりと眠っている。

「食事、楽しかったなあ。」
ハンドルを握った男が口調以上に重々しい表情で呟く。

「ええ、本当に。」
妻は簡単に告げると重苦しい沈黙が辺りを支配する。

「やっぱり帰るか。今日でなくても。」
ハンドルを握った男が大量に汗を噴き出しながら言う。

「、、、、。」
妻は無言のまま首を横に振った。
またしばし重い沈黙が流れる。

夫婦は後部座席を振り向く。

お腹一杯で幸せそうに眠る子供たちの顔があった。

沢山の思い出がよぎって
妻はじわっと涙が溢れるのをこらえられなかった。

夜の港。

海に向かう形で乗用車が一台停まっている。
その車がクラクションを鳴らすと
カモメたちが飛んでいく。


やがて急発進した。

沢山のカモメが飛んでいく。

それは夜の闇にまみれてまるで沢山のカラスのように見えた。

(木)



大きな木の下。
木の幹にもたれかかって
ワイシャツを着た男が携帯電話を取り出した。
電話帳から目的の人を探す。


少し間を置いて話し始める。

秋晴れの昼下がり。
すかっと晴れているものの夏のようなインパクトはない。
綺麗な晴れではあるがどこか弱弱しい。
そして胸が騒ぎ、寂しさが募る。

「もしもし。ああ、突然ごめんね。
いや、うん。まあ大した用はないんだけどさ。
俺、君の事が好きなんだ。

ああ、分かってる、ごめん。あはは。気にしないで。
ちゃんと伝えたかったんだよ。自分の気持ちを。
元気そうで。

ああ、そうか。良かった。
どうか、幸せになってよ。俺の分までさ。
ああ、今日の風は気持ちいね。
小学校のベランダで感じたような
懐かしいなあ。

秋風ってのはさあ。
何か昔を思い出させてくれるよな。」

携帯電話を口許に、
誰かに思いを告げるような独り言を言いながら男は大きな木の枝に括られた紐。

何かを引っかけられる丸い輪っかを見上げる。

紐で括られた輪っかの先には弱弱しくも
綺麗な太陽が、空が、雲が
その時間を彩っていた。

それを見ながら男は呟くように言った。
「それじゃあ、またね。」

大事そうに握る
携帯電話には掛けることの出来なかった
想い人の名前が表示されている。

そして男は、
携帯電話をそっと草むらに置いた。

(金)



とあるセンターでベッドに寝た切りの男がいる。
天井の模様は数え飽きた。
ひたすらお金を信じ。
自分の体を省みず
がむしゃらにがむしゃらに
碌に贅沢もせず、
莫大なお金を築いた。

しかしまだまだ若いのであるが
その無理が祟り、
重い病に蝕まれていた。

何のために突っ走ってきたのか。
何のために頑張ってきたのか。
何のために人から嫌われてまで蹴落としてきたのか。
男を見舞う者は誰もいない。

一人、孤独であった。

そうだ、金のためだ。
これさえあれば、全てが手に入る。
そう、全てがだ。
しかし、こうなってしまうとは。
これからだ、俺の人生はこれからなんだ。
なのに、もう何にも使えない。
こんな話があるか。
こんな話が。

男の元に集うのは遺産の話。
そしてありとあらゆる宗教団体からの誘い。
募金のお願い。そんなのばかりだった。
まるで死体に群がるカラスのように。
誰にもやるもんか。
ビタ1文自分が稼いだ金をやるものか!
男はずっとそんな事を考えていた。

ふと気付くと男の枕元にブタの貯金箱が置かれていた。
誰だこんないたずらしやがって!
畜生め!
男は渾身の力でそれを叩き割った。
割って思い出した。
この貯金箱は昔、
病気の母親のために子供たちで必死に働いて稼いで
こつこつ貯めていたお金を入れた
貯金箱だった。
元々男は
今では考えられない貧しい生活を送っていたのだ。

なぜ、こんなものが。
いつからか間違ったのか。
お金を稼ぐ意義を。その意味を。

男はペンを取った。
遺産に関して。
中間搾取など絶対にできないよう。
確実に困っている人間に渡るよう。

そして満足げに呟いた。
これで少しは報われるな。
そしてゆっくり目を閉じた。

(土)



深夜。

金髪の女性がとある山中でひたすら土を掘る。
その形相は鬼のようである。
深く、ひたすら深く。
ぼっかり空虚な穴を掘る。
ひたすらに、ひたすらに。
その穴を掘ることが
その女性の幸せに繋がる。
そう信じて。

掘る。
掘る。

己の幸せのため。

掘る。

下へ下へ下へ。
下へ掘れば掘るほど
心がえぐられるように思う。
それでも掘る。

そうさせるものは何なのか。
多くは新しい男のためだ。
掘る。

あの人が笑ってくれる。
だから掘る。

派手に装飾された車には
流行りの女性歌手の曲が流れている。
懸命に恋に纏わる歌を歌っている。

後部座席には目を覚まさない少女の姿。

少女が着ている
可愛いキャラクターのプリントの描かれたTシャツは赤く汚れている。


それで、お母さんが幸せになってくれるなら。

その何時間か前に少女はそんな事を言っていたという。

(日)



とあるビルの屋上。
スーツ姿のサラリーマン二人組。

柵に2人寄りかかって談笑している。

痩せた短髪の若者とロン毛の若者が会話を交わしている。

短髪が口を開いた。

「日常。
そんな物が永久に続くと思ってた。
死、なんてものは対岸の火事どころか
自分には無関係のもんだと思ってた。
ほら、下、見てみろよ。
ほとんどの奴が目が死んでるぜ。
死からも未来からも現実からも逃げてる
人間ばっかりだ世の中は。

俺は気づいちまったんだ。
背中にずっと自分の死を望んでいるもう一人の俺がいる。
自分を取り巻いているのはひたすらに絶望だった。
この社会ってウスギタネエどぶん中を俺はひたすら
ばしゃばしゃやってるんだよ。
未来なんてのはない。
少なくとも俺には。
そう思うと目の前が真っ暗になった。
俺はそっから永いトンネルに入って鬱みてえになっちまって。
そんときはわけも分からず涙が止まらなくなってひたすら叫んで
気づいたら病室にいた。」

ロン毛が答える。

「お前は昔っから真面目でまっすぐでよ。
難しいことばっかり考えてるからそうなっちまうんだよ。
もっと体の力抜いてだな。
俺の不真面目な部分はちょっと見習ってもいいんじゃねえか。
でもお前も良くなったから出社したんじゃねえの?」

「いやあ、そんな簡単な病気じゃねえんだ。
久しぶりに出社してもまるで空気のようだな。俺は。
まともに話してくれるのはお前くらいのもんだ。」

ロン毛が動揺した。

「俺たち親友だろうが。部署は違うけどよ。いつでも相談しろって。
なんなら話つけてやろうか?
そこまで俺も偉くないけどな。
はっはは。」

短髪が表情を変えずに言う。

「なあ。戦争ってなんだろうな?」

ロン毛はしばらく、うーん、と考えた後。

「ほら。あれよ。
兵隊さんが沢山いてよ、
鉄砲持ってばーん!てぐわー!
大砲がどっかーん!
空からは戦闘機。陸からは戦車!
衛生兵ヘルプミー!
って感じか?」

短髪の表情はやはりずっと変わらない。



「心の、戦争だ。俺は敗けた。」

蚊の鳴くような声で短髪はぼそっと呟いた。

「え?今なんつった?」

ロン毛の携帯電話の着信が鳴った。

「あ、わりいちょっと出るな。」

ロン毛は入口の方へ小走りで言って携帯電話に向かって
話を始めた。
話し終わって電話を切る。


柵の男の元に駆け寄ると
親友はそこにいなかった。

柵の先には履き古したビジネスシューズが2足
几帳面に揃えられていた。

ロン毛は声にならない叫びを上げて柵の下を覗く。

真下で赤く染まった親友の姿が微かに見える。

ロン毛はふと強烈な目眩がした。
そしてしたたか吐いた。
その目眩の原因は今しがた見た光景だけではない。
何か、何か途方もない
自分の力では購うことのできない
大きな大きな何か
凄まじく強く嫌な力に呑みこまれたような
乗っていた電車から突然放り出されたような。
黒く大きな輪っかの中に放り込まれたような
なんとも形容し難い思いに囚われたのだ。

ロン毛は咄嗟に屋上の柵にしがみつく。
足がすくむ。
目眩がする。

俺の背後に何かいる気がする。
いや、大丈夫だ。
まさか俺に限っては大丈夫だ。
そんな烙印は押されるものか。
ロン毛は口許を拭いながら
必死に思った。

負けられるものか。
有り触れた日常は続くはずだ。
これからもずっと永い日々が。

その何分か後、
誰かから呼ばれた
救急車がまるで出前でも届けるように到着した。
そしてまた金切り声を上げて
ビルの合間を颯爽と駆け抜けていく。
車はそれに道を譲り
歩行者もちらと救急車を見ては
興味もなく、また自分の歩く道をみつめる。
実に有り触れた日常だった。

作 2010年 9月19日
絵 kaedy



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最終更新日  2019.03.27 18:55:58
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