|
テーマ:今日の出来事(289052)
カテゴリ:愛をもって語れ
るろうに剣心と言えば
「不殺」を貫く元人斬り「緋村剣心」が 仲間と助け合いながら ド派手な必殺技を駆使しながら敵と戦う ある意味典型的なジャンプ漫画です。 ![]() るろうに剣心完全版(22) 明治剣客浪漫譚 (ジャンプコミックス) [ 和月伸宏 ] かく言う私も るろうに剣心の登場人物の 「天剣の宗次郎」こと 瀬田宗次郎が大好きで その名前をもじって 「千里眼の宗二郎」などという短編を 趣味で書いたものです。 ![]() るろうに剣心完全版(13) 明治剣客浪漫譚 (ジャンプコミックス) [ 和月伸宏 ] というわけで ブログのタイトルにもあります 戦闘シーンに衝撃を受けたアニメは るろうに剣心! ...とは微妙に違いまして OVAとして1999年に発売された 「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 追憶編」です。 当時学生だった私は アニメ好きの友人から VHSのテープを借りて視聴しました。 ![]() るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚ー 追憶編【Blu-ray】 [ 涼風真世 ] OVAとは言っても 原作に沿ったストーリーなのですが 原作にはあった明るさや ユーモアみたいなものは一切なく、 終始重く、暗いものでした。 ストーリーは 緋村剣心が「不殺」の誓いを立てる前、 つまり薫や左之助などに出会う前の話になります。 歴史的に実在する人物である 長州藩の中核を担っていた 桂小五郎や高杉晋作を信じ、 動乱の京都で佐幕派の要人や新撰組などを 冷徹な人斬り抜刀斎として暗殺し、 その手を血に染めていた時代でした。 ![]() 高杉晋作 情熱と挑戦の生涯 (角川ソフィア文庫) [ 一坂 太郎 ] そのため戦闘描写が多く 血で血を洗う血なまぐさいものであるのですが 対比のようにして 日本の四季折々の風景が 丁寧に美しく描かれているため 命を落とした一人一人の 生命が決して軽いものではなく あたかも自然に還っていくような、 命の儚さ、尊さ、残酷さというものを実感します。 それでは具体的に 痺れた戦闘シーンを 4つ例に挙げて見ていきましょう。 ここからは るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 追憶編の画像を 一部引用させていただきます。 ![]() るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚ー 追憶編【Blu-ray】 [ 涼風真世 ] 1.突きまくる沖田総司 原作では 池田屋事件に関しては 凱旋シーンしか描かれていなかったのですが...。⤵︎ ︎ ![]() るろうに剣心 20巻より引用。 ![]() るろうに剣心(20) 明治剣客浪漫譚 追憶 (ジャンプコミックス) [ 和月伸宏 ] OVAでは ガッツリ池田屋事件の 戦闘シーンが描かれています。 しかも原作ではほとんど拝めなかった 新撰組一番隊組長 沖田総司の戦闘描写も出てきます。 戦闘シーンも衝撃を受けたのですが その合間のシーンも特筆すべきものがありました。 池田屋において 近藤勇を筆頭とする 新撰組部隊が長州藩などの過激派浪士が談合を する部屋に乗り込み ロウソクの火を消し 暗闇に両者が沈黙し向かい合う中、 蛍の光が沖田総司の刀を優しく照らします。 凄惨な戦闘シーンの前の この美しい演出は いかにも日本的と言えるかもしれません。 新撰組の大ファンであった私としては 池田屋事件など 新撰組が登場するシーンを正にテープが擦り切れるくらいに 何度も何度も観ていました。 面白いのが 新撰組の面々が突きを多用している点ですね。 新撰組発足当初 八木邸で新撰組の沖田総司などが 夜討ちをかけて芹沢鴨を粛正した際には 鴨居に刀傷が付きました。 ![]() 新選組局長芹澤鴨 [ 箱根紀千也 ] 屋内戦闘では 刀を振りかぶるとどうしても 鴨居などに引っかかる恐れがあるので それ以来 突きを主体とした 戦法に切り替えたのではと推測できます。 戦術の鬼才 土方歳三が 突きの後に生じる隙を補うべく 「平突き」(かわされても横薙ぎで払う)を考案したとの逸話も確か るろうに剣心内で語られていたと思います。 ![]() ↑特に劇中に出てくる 沖田総司は隙さえあれば これでもかと言うくらいに 突きまくっています。 「三段突き」の名手であるという 逸話がある沖田総司ならではと いったところかもしれません。 物語の最後の方では 剣心と剣を交えることになるのですが その時も鋭い突きを何度も繰り出し 受けた剣心の剣に火花が散ったほどで 非常に見応えがありました。 沖田総司に至っては 「平突き」に頼らずとも 突いてから次の突きに至るまで 全く隙がなかったのかもしれませんね。 この物語における 沖田総司の戦法は 三段突きというより 相手の体のどこかに刺さるまで、 もし刺さったのであれば 相手に致命傷を負わせるまで 突きから引きの動作を 素早くすることにより 隙をつくらずに 神速で突きまくるという 恐ろしい戦法に見えます。 ![]() ↑近藤勇、土方歳三の両名が モブ顔なのがまた生々しくて良い。 ただ、 近藤勇の声にはもう少し迫力が欲しかった。 ![]() 新撰組近藤勇 (人物文庫) [ 童門冬二 ] 2.剣心「名など無用!」 ![]() ↑のシーンは新撰組の1人の隊士が 「北辰一刀流 ~」 と自分の流派、氏名を 武士のように名乗りあげたところ 「名など無用!」と 剣心に突然襲いかかられた瞬間。 剣心は自信が歴史の表舞台に立てない 闇を生きる人間と 自負しているからこそ出た台詞のように思います。 また、 自分が殺す相手の素性やバックボーンなどを知ると 剣心の性格上どうしても 情が湧いてしまうことも考えられるので そんなこと知りたくないという 思いもあったかもしれません。 可能性は薄いですが これから死んでいく者の 名前を知っても意味がないという 冷酷な台詞にも思えてしまいますね。 3.全然必殺技を使わない るろうに剣心と言えば ド派手な必殺技の応酬で 時にネタにされてしまうこともありますが 本作においては 必殺技なる概念がほぼなく、 生々しい殺陣、剣戟、流血が ひたすらに、そして淡々と繰り広げられます。 かなり漫画的な演出が抑えられています。 何かと必殺技を叫ぶ 原作とのギャップに衝撃を受けました。 ![]() 特に↑のシーンは圧巻です。 剣心が相手の喉元を突き刺し 刀を引き抜いた際に返り血を浴びないよう 相手の着物袖でガードしています。 人斬りならではの 動きとも言えるわけですが この凄まじい描写がどのようにして 産まれたのか非常に気になるところです。 何か元ネタがあったのでしょうか。 4.雪で息を隠す ![]() 長州藩(倒幕派)方の表舞台に表れない 闇に生きる者が 剣心でありますが 敵対する徳川方(佐幕派)の闇に行きる組織が「闇乃武」です。 これはそんな 敵対する闇に生きる者同士の戦いということになります。 ↑彼は中条という名前で 原作ではペラペラよく喋る 典型的な噛ませ犬キャラでしたが OVAでは喋ることなく 闇乃武の忍びらしい 戦闘を見せていました。 ↑を見ると吐く息が白く出てるのが分かりますが 剣心が通り掛かるのを見るや 雪を口に詰め込んで白い息を隠し 居場所を悟られないようにして 剣心に奇襲を仕掛けます。 袖の下に仕込んだ暗器を 剣心に命中させた後も 1度引いて 再び雪を口に含む徹底ぶりでした。 結局は虚ろな目をした 剣心に敗れてしまいますが 悲鳴一つ上げることなく爆弾を炸裂させて自爆し 剣心の聴力を奪いました。 忍としての役割を全うしたわけですが 爆弾を起動させる直前に 大粒の涙を流すなど 最期には人間らしい一面を見せており 今も尚忘れられない戦闘シーンとして、 ある種のトラウマとして 脳裏に焼き付いています。 Twitter ![]() ↑風流先生おすすめ商品掲載中 経由購入などありがとうございます! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.07.17 10:24:03
コメント(0) | コメントを書く
[愛をもって語れ] カテゴリの最新記事
|