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丘菜摘のその日暮らし

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2004年05月23日
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つれづれに、先日の京都の話を少しずつしていこうと思う。

今回一番気になっていたのが、紫式部の墓のことである。
大徳寺から遠くない所にあることを地図上で見つけたので、足を伸ばすことに決めていた。

場所は北大路通と堀川通が交わるところに近く、アノ島津製作所の裏手というべきところである。

堀川通を背にして左に小野篁卿墓、右に紫式部墓所と刻んだ全く趣の異なる石が建てられている間に踏み入れる。

細い通路を進むとすぐに左手に紫式部の絵が2枚掛けられ、「碑文格納箱」という雅でない名前を紙に書いて貼り付けられた大きな木箱や紫色の芯の蝋燭や線香、参拝者が足跡を残すノートなどが置かれた机が置かれた場所がある。

さらに奥へ進むと島津製作所の高い壁に行き当たるが、その手前に小さな祠がある。歯痛留地蔵だという。ここになぜこういうものがあるのかはよくわからない。

その地蔵の手前で、細い路地は鍵の手に曲がった右側が開けていて墓が二つ並んでいる。

奥の大きな墓が紫式部の、手前の一回り小さな方が小野篁のものだという。

小野妹子の子孫であり、小野道風や小野小町の祖父にあたると言われ、冥界に通って閻魔大王に仕えたと逸話を残す小野篁の隣になぜ紫式部が埋葬されているのか。とても不思議に思った。

なかなか真相はわからないが、どうやら『源氏物語』などという愛欲の世界を書いたことが罪とされて紫式部は地獄に落とされたのだが、それを閻魔の二の腕となっていた小野篁が救ったのだという逸話があるらしい。小野篁の寺と言われる閻魔堂にも紫式部の供養塔があるという(今回は行かなかった。)。

帰り際に「碑文格納箱」を開けてみると、紫式部に関する研究会支援の募金のビラが入っていた。なあんだとがっかりしていたところへ、ジリジリジリとけたたましいベルの音。
え~。開けちゃいけなかったの?と驚いたが、島津製作所の昼休みを知らせるベルだったらしい。しかし、チャイムじゃなくて、あのベルの音は…。心臓が止まるかと思った。





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最終更新日  2004年05月23日 16時43分40秒
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