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カテゴリ:人生・人間ドラマ
山田宗樹 著 タイトルのとおり、松子という女の一生を描いた物語です。 川尻笙は、それまで存在すらしらなかった伯母、松子が殺されたという話を、父から聞かされ、松子の部屋の片づけを頼まれます。 気のりしない笙でしたが、ガールフレンドの明日香が、松子に興味をもったことがきっかけで、松子がどんな人生を歩んだのかを調べ始めます。 話は、笙の調査の様子と、その合間に松子自身の一人称での語りとが交互になって進行していきます。 教師になった松子は、修学旅行先の宿で、お金が盗まれる事件に直面します。 生徒が疑われたため、自分が盗んだことにしてお金を返し、事を穏便にすませようとしますが、それが仇となって、結局教師をクビになってしまいます。 ここから松子の転落人生がはじまりますが、あまりにも世間知らずな松子の行動に少々うんざりし始めたころに、小気味よく視点がかわるため、ついつい先を読み進めてしまう実にうまい作りになっています。 甥の笙も、初めは興味本位でしたが、ひたむきに生きる松子の人生をしるほどに、松子の想いを拾い上げようという気持ちがつよくなっていきます。 男のために風俗店で働こうとしたり、悪い男にだまされたり、覚せい剤におぼれたり、挙句の果てに殺人を犯し・・・絵にかいたような転落人生です。 しかし、努力家で器用な松子は、そのたびに再起し幸せをつかもうとしますが、そのたびに裏切られ絶望します。 幼少のころ、病弱な妹に、両親の愛情をすべて奪われてしまったと感じてしまったことがすべての始まりだったのかもしれませんが、これが人に依存しないと生きられない哀れな女の末路か・・・と、かなりブルーにさせてくれる小説です。しかし心に残る一冊です。
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Last updated
Nov 19, 2017 02:15:27 PM
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