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カテゴリ: ピアノレッスン番組
さて、今週のNHK教育テレビ「スーパーピアノレッスン」から3週にわたってモーツァルト ピアノソナタ イ長調 K.331「トルコ行進曲付き」のレッスンである。番組中で講師のアントルモン氏も言われているように、このソナタはモーツァルトの作品のなかでも有名な曲のひとつだ。私自身、「トルコ行進曲」のみ、小学生の頃のピアノ発表会で弾いたうえ、中学生になってから改めてこのピアノソナタ K.331を練習した懐かしい曲でもあるので、大人になってから改めて練習できることを非常に喜ばしく思っているのだ。
早速、テレビの前で疑似レッスンとばかりに、楽譜を片手にじーっと番組に見入る。今週はピアノソナタ K.331の第1楽章がレッスン対象だ。 まずアントルモン氏はこの曲についてこう語る。「美しい第1楽章は主題と変奏曲からなる。」「気品に満ちていて、とても演奏しがいのある曲、聴いても弾いても魅了されてしまう」と。確かにこの曲、穏やかな主題が幾つもの性格を変えて登場する曲であり、ある時はとてもロマンティックに、またある時は明るく快活にと、なんとも贅沢な楽章なのだ。 というわけで、第1楽章の各小節における注意点をあげていこう。この第1楽章は知ってのとおり、主題は6つの変奏曲から構成されているが、小節数はテキストどおり通し番号(つまり各変奏ごとに小節番号を分けない)で掲載するのでその点ご了承頂きたい。青字の文章が番組中のレッスン注意事項、(括弧)内の文は自分なりの注意点だ。ただ、レッスン中の注意事項にて、一部解釈が困難な内容があったため、あやふやな書き方をしている箇所があるが、その点もお許し頂きたい。 【主題】 ・全体:バルカローレ(舟歌)のように弾いて。急ぎすぎず優雅に。 (曲がシンプルゆえ、ついついテンポアップしてしまいがちなので注意したい) ・4,7小節:スフォルツァンドはあまり強くする必要なし。前後関係からみて表現上、軽くアクセントにとどめる。 (曲全体のバランスを考慮するとなると、確かにスフォルツァンドはあまり目立たない方が良さそう) ・17小節:6拍目の右手進行、丁寧に ・18小節:曲の終わりは、ふっと息を抜くような感じで 【Var.I】 ・全体:平坦過ぎず、弾き方にもっと抑揚をつけて ・19~22小節:スラーをきちんと意識して弾くこと。22小節はレガートで (細かなスラーを意識することで曲に抑揚がつきそうだが、つい上下の流れといった大きな流れで弾いてしまいがち) ・23~26小節:左手の同音連打は同じ指で弾かず、1-2-1-2指で。 (ヘンレ版には指使い指示無し。全音版ではアントルモン氏がいわれた1-2-1-2指の掲載有り) ・35~36小節:左右それぞれの手が独立していなければならない。(左手はあくまでも低音を刻み続け、それに対して右手は別のことをする、といった意味合いらしいが) (右の流れを意識することなく左手はあくまで冷静に弾くということを言ってるのだろうか) ・35小節:6拍目右手進行、丁寧に。細部のひとつひとつまできちんと弾けば、苦もなく弾いているように自然な感じに聞こえるのだから。 (Var.I最終小節のひとつ手前、右手16分音符32分音符(F#-G#A)の部分。) (つい次小節の和音を意識するあまり、曖昧に弾きがちになったりする。私も要注意な箇所だ) 【Var.II】 ・41~42小節:左手装飾音を含む進行、休符をきちんと考慮して。装飾音含む2拍,4拍に変な力を入れないで (テキストにも書かれているが左手装飾音は16分音符でなく32分音符のように軽くタラッと) ・45小節:指のコントロールが失われないように (これは少々意味不明だったが、ようは指先まで神経を行き渡らせて弾けということか??) ・49~52小節:左手3連音符進行、コインがのるくらい静かに弾き、手首をロールさせないで。 (この曲のポイントはなんといってもこの左手3連音符。手をばたつかせないことで安定した音で弾けそうだ) 【Var.III】 ・55小節:Var.IIからVar.IIIに進むにあたり、ここから曲調がガラリと変わることを十分に意識して。 ・全体:モルトレガート、穏やかに急がずに弾くこと (多少ペダルを使用してしっとりと弾きたい。それにしてもオクターブでレガートはやはり難しい) (ちなみに生徒さん、手が非常に大きいのか、難なくオクターブで見事なレガートを弾いていた) 【Var.IV】 ・83小節:ここのスフォルツァンドははっきりと! (主題ではスフォルツァンドは軽いアクセント気味だったが、ここではもっと強めに!) ・90小節:曲の終わりは、ふっと息を抜くような感じで (基本的に曲の終わりはこれが基本か?) 【Var.V】 ・94小節:細かくフレージングせず、大きな流れを感じながら弾くこと ・98小節:装飾音もひとつひとつ丁寧に弾くこと (これは装飾音全般にいえること。ついつい曖昧に弾いてしまいがちな音もきちんと奏でてあげたい) ・101小節:1拍目と3拍目の1音目は5指ではなく4指から (気が付けば私も5指から弾いていた。1指を軸にする弾き方を頭に叩き込んで) 【Var.VI】 ・109小節:Var.VからVIへと進む時、慌てすぎることなく普通のアレグロで (Var.Vの優しい余韻から一転、軽やかにパッと明るく弾きたい。でも慌ててはダメということだ) ・113~116小節:右手16分音符進行、焦って弾かないで。(ここでアントルモン氏、いきなり「帰りの電車の時間が気になる?」といった茶目っ気ある注意の仕方をしたではないか。生徒さん爆笑。テレビの前の私は苦笑) (16分音符進行が続くとどうしても焦りがちになることがあるので、私も肝に銘じなければ) ・119~120小節:左手アルペジオは乱暴に弾かず同じテンポで (アントルモン氏、そして生徒さんが弾くような切れの良いアルペジオを弾きたい!!ザッザッザッと) ・142~143小節:142小節3,4拍から143小節、右手進行はっきりと弾くこと (注意事項とは異なる箇所ではあるが、生徒さんは最後の和音をアルペジオ気味に弾いていた?) と、上記でもわかるように曲自体がそこそこ長いため、また今回もボリュームいっぱいなレッスンとなり、アントルモン氏の模範演奏はVar.Vの途中から最後まで・・・という状態となってしまった。やはり30分弱の番組ではレッスン風景に加えて模範演奏までを全放映するのは困難なのか。だったら、レッスン番組が40分間になればこれも解決できるだろうに。きっと、収録自体は全曲弾いているのだろうし、放映しないのは勿体ないと思ってしまうのは私だけだろうか。 それはさておき、今週から曲が変わったことでレッスンを受ける生徒さんも変わったのだが、彼もかなり特徴的な弾き方をしている。実は私もついついやってしまうクセのひとつなのだが、やたら上を仰ぐのだ。しかも視線が明らかに上を見上げているのがわかる。仰ぐ回数も多いので、少々やりすぎな感もあったり。また、肘を上下左右に動かし、身体は大きく揺れるのも特徴的だったりする。いやはや、どの生徒さんも皆感情豊か・・・ということだろう。 ただ、今回のアントルモン氏は「Good!!Very Good!」を各所で連発し、結構ご機嫌だったように思える。実はアントルモン氏は誉め上手だったりするのかもしれない。 それにしても以前練習したはずの曲だというのに、いざ練習し直してみると、情けない程に弾けていない。トリルの解釈やペダリングひとつにしても、どうしても思い出せないのだ。レッスン内では指使いについては毎度かなり厳しく指導されているのだが、ペダリングについてはほとんど指摘が無いのが残念。ペダリングについては、自分なりに研究するしかないのだろうか。(ちなみに全音版の楽譜にはペダル指示が掲載されているが、ヘンレ版には未掲載だったりする) ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ さて、もうすぐゴールデンウィーク。なにかと出かける機会も多いこの期間、ピアノの練習時間もかなり減らされることは間違いなさそうだ。これまで無理矢理予習してきたスーパーピアノレッスンの曲たちも、ゴールデンウィーク中で脱落な予感濃厚である。まぁそれについてはまた後日の日記で語るとしよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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