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こんにちは、楽器人間です。
今回、ご紹介するのは、ディープ・パープル カム・テイスト・ザ・バンドです。 いわゆる、70年代後期、ロックが商業主義的な方向に舵を取り始めた頃のアルバムです。 背景としては、このバンドの看板ギタリストであったリッチー・ブラックモアが脱退し、バンドは、後任として若手のアメリカ人ギタリストであるトミー・ボーリンを投入して再起を図ろう?とした、ある種、イノベーション工作というか、バンドの摩訶不思議な断末魔的状況が刻印されております。 リッチー好きの諸兄の方々は、このアルバムをこき下ろすことが、至極まっとうな感じで発売以来40年程飽きもせず結構言われ続けております。 勿論、リッチー御大も凄いのですが。 しかし、改めて、今日聴き返してみると明らかにバンドのコンセプトはいい意味でモダンに刷新され、かつての古き良きブリティッシュ・ロック臭は見事に消え去っております。 例えば、音(コード)の響きとしてm7th9thや13thの頻出だったり、ファンキーな16ビートの積極的な採用など、当時のハードロック少年達には違和感というか戸惑いを感じさせる要因だったかもしれません。 これは、ある意味、若手3人がブルースベースのティストを上手く封印し、ちょこっとジャジーでファンキーな装いを無意識に?牽引・導入した結果ともいえます。 言い換えると、新人ギタリストのトミーは、当時、二十代ながら作曲、演奏、ボーカルも卒なくこなし、若手ボーカルのカバーデル、ベースのヒューズとともにバンド内に蓄積した嫌〜な停滞感や老害感という残滓を勢いで解体してしまったとも言えるでしょう。 バンド側としては、この若手3人に好き勝手にやられたというか、それが当初の狙いだったにもかかわらず、結果的に彼らをコントロールできなくなり、本当っ。期待通りだけれども変化の容量が半端なく、とてもついて行けないよ!というバンド内部のアンビバレントなテイストをヒシヒシと感じさせてくれます。 多分、とまっどっていたのは、年長のジョン・ロードであり、兄貴分のイアン・ペイスだと思われますが。 結果として、このアルバムが当時売れたという評価があったのかというと、いまいちな印象がつきまといます。 また、当然、このメンバーによるバンドは、その後、呆気なく解散してしまいました。 バンド的にもイノベーションとその結果に関する評価はとても難しいものですね。 ![]() [CD]DEEP PURPLE ディープ・パープル/COME TASTE THE BAND - 35TH ANN【輸入盤】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.01.14 14:44:21
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