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テーマ:洋楽(3315)
カテゴリ:おすすめCD
こんばんは、楽器人間です。
今回、ご紹介するのは、ジミヘンのデビュー・アルバムです。 のっけから『Purple Haze』で、決めの一発を見事にお見舞いしています。 天才というのは、夭逝するものなのでしょうか?この方もメジャーな活動は実質的に4年位ですから生き急いだということになりますね。しかし、マイルスとの競演は是非実現して欲しかったです。ギター弾きとしてだけではなく、トータル・サウンド・クリエーターとしての片鱗を匂わせつつ、やっとメジャーからデビューを果たしたという感じでほとばしる才能を垣間見ることができます。 なので、曲の数だけはやたら多くなっています。アルバムの整合性などお構いなしに、バンドのフィーリングでべったりと塗りたくった感じでもあります。よって、曲のバリエーションも豊饒さを極める中で、9曲目の『Third Stone from the Sun』は唯一のインストであり、彼の音楽性の奥深さとロックの可能性を既にこの時代において明確に示唆しています。 イントロのじゃらーんというコードは、かつて坂本龍一がサンプリングしていました。このギターの音色はとてつもなくメローでストラトらしい艶かしい感じです。暖かみがあり、ジャズの香りも多少あります。イントロから主旋律へと向かい、超有名なメロが降臨します。あのジャコ・パストリアスもライブ時のソロ・パフォーマンスで必ず弾いていた?あれです。因みにパット・メセニーも慇懃にカバーしていました。 このメロが、ロックのエネルギーとフリーキーさを目一杯拡張して、聴く者にある種の陶酔感を促しております。酒の量が妙に増えたり、車に乗っていると、妙にスピードを出したくなったり。サウンド・サプリメント?の典型でしょう。俗にインストのメロというのは、なかなか難しくもアリ、コード進行から発想されたと思われるモノも数多く散見できますが、この曲のこのメロは、やはりジミの脳裏に降臨したのでしょうか。 曲のテイストは、一応ロックですが、ジャズ的でもあり、ファンク的な要素も含んでいます。とにかく自由です。逸話として、ジミがマイルスの家に遊びに行ったときに、マイルスがあるコードを白玉で紙切れに記して『お前、これ弾いてみろっ!』と言い放ち?一旦席を外してしまいました。マイルスが戻ってくると、ジミは憔悴しており、コードを奏でた様子も感じられません。流石、マイルス親父、状況を瞬時に察してピアノでコードを弾いてあげた途端、ジミはすべてを理解してしまった。という話です。 要するに、ジミは恐らく近代音楽理論に毒されてない分(要するに譜面を読めない!)、自分の耳を頼りにすべてを決めてこざるを得なかったことが皮肉にも幸いしたのだと言えるでしょう。結果として、自分の感覚を大切にするという、極めてナチュラルだが、自信とセンス(才能か?)を担保できないと破綻してしまうような行動様式の延長線上に本作は制作されたということになります。 自分が気持ちいいと感じたさまざまな事柄について、理論武装したり、参照したりせずに、自分で客観的に評価、創作できるというのは、恐ろしく非凡な能力の持ち主といえるでしょう。過去の集積を前提とした音楽理論は、どうしても事後的であるがゆえに再利用を前提にコンポーネント的な機能が優先し、結果として感覚とは別のビジネス的頒布性を伴ってしまいますね。 ですが、理論で先回りするというのも時間のない現代人にとってはショートカットであり、とても有効な手段で、8合目まで登るには決して禁じ手とはなりえません。もっとも、8合目から頂上まではほとんどの人が登れず、8合目まで登るのもまた大変ですけれども。 ![]() [CD]JIMI HENDRIX ジミ・ヘンドリックス/ARE YOU EXPERIENCED【輸入盤】 ![]() 【ポイント2倍】【メール便・送料無料・代引不可】Dunlop Jimi Hendrixピック JHPT01M Are You Experienced x24枚(ピックケース2個)【smtb-TK】 ![]() Jimi Hendrix - Are You Experienced (Songbook)-【電子書籍】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.01.27 18:50:55
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