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テーマ:洋楽(3311)
カテゴリ:おすすめCD
こんばんは、楽器人間です。
今回はギター・インストルメンタルの金字塔のひとつとして、今日でもその地位は色褪せることのない名盤、ジェフ・ベックのワイヤード(Wired)をご紹介いたします。 というくだりが、ロック好きのオジサンおよび、その周辺の一般的な認識だと思うのですが、どうしてそのような評価になったのか?ちょっと考察してみましょう。 とりあえず、ジェフ・ベック(Jeff Beck)のキャリアにおける、本作の制作時期に着目してみましょう。 ●前作、ギター殺人者の凱旋(Blow by Blow)の路線を踏襲し、プロデューサーがあのビートルズを手がけたジョージ・マーティンであったこと。 ●マハビシュヌ・オーケストラのヤン・ハマーが参加していること。 ●一部のドラムにナラダ・マイケル・ウォルデンが参加している(一曲のレッド・ブーツは逸品)。 ●1976年という時代が、旧来のロックフォーマットではなく、新しい音(ロック的なインストルメンタル)を要請していたかもしれないこと。 ●ご本人の才能のピークであったかもしれないこと。 というように、いろいろご意見はあると思いますが、一応、整理してみました。 そもそもポップスやロックというと、プレスリーに代表される巧妙にコントロールされた商業音楽第一主義的なノリを思い浮かべてしまいますが、このような音楽業界を果敢にギターの腕一本で生き抜いてきたジェフ・ベックだからこそ、セールスとクオリティーの両天秤を自身の才能で担保し超越していく様は、彼の運も含めて素晴らしいの一言であり、後進のギタリストにとっては、成功パターンのひとつとして記憶の奥底に鎮座しているかもしれません。 なので、皮肉にもギター・インストルメンタルの分野でのポピュラリティーは、このアルバムをリファレンスというか、標準定位として以後大量生産されることになってしまいました。平たく言えば、売れるから作れ!!ということですね。 粗悪乱造的な企画モノが以後、大量にリリースされたことは、誠に商業主義としてはまっとうな発想であり、その是非は問いませんが、ジェフ・ベックの場合、アーティストの才能と時代性が見事にギター・インストルメンタルという芸術作品へと昇華された喜ばしい事象であるのではないでしょうか。 翻って、ジョン・マクラフリン率いるマハビシュヌ・オーケストラですと、グーッとポピュラリティは低下してしまうのが悲しい現実でもあります。 とにかく、一曲目のレッド・ブーツ(Led Boots)を聴いていただければ、ロックの黎明期であるプレスリー以降、20年くらい進化すると、ギターという楽器はリズムを刻むのがメインであったのに、その機能は随分と拡張され、ボーカルに勝るとも劣らない表現力と過激さを内包するに至ったのでした。 [CD]JEFF BECK ジェフ・ベック/WIRED【輸入盤】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.01.28 18:01:58
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