感受性
今日、『北のつくり人展』というものを見に行った。『北のつくり人展』というのは、趣味あるいは企業で手芸品を作っている人が展示、販売をするための展覧会である。それを見に行った。というのも、母親は趣味でニットを作っており、その展覧会に出展しているためだ。父と共に、車で会場であるホテルに向かう。 親父は、母が休憩している間の店番、オレは他の人が出展している作品を見て周る。それがいつもの習慣だった。出展者はあまり変わる事は無く、いつも大体同じようなもの(決して失礼な意味じゃなく)が置いてある。ネックレス、イヤリング、ガラス工芸、小物・・・。その中でも、オレはある店の人形が気に入っていた。特定のという訳ではなく、その店の作る人形全て。物凄く顔がリアルに作られた、体型が少しアンバランスな人形。俺はこれが好きで、というかどうしても気になってしまい、他の店よりも幾分か多く見てしまう。はじめてこの人形に出会ったときから、気になっていた。表情のある、人形達。出会ってからは、この『北のつくり人展』がある度欠かすことなくこの人形を見に行った。 俺はこの人形の顔が好きだった。彫りが深く、何かを訴えかけるような目をして。人形によっては、口角が少し上がっているものもある。そして今回も、案の定オレはその人形を見に行った。 人形の表情が、いつもと違う気がした。一瞬違う店かとも思ったが、やはり、毎回見ている店だった。こういう人形を出しているのはこの店くらいだし。人形は、オレから目線をそらしたがっている風に見えた。口角の上がった人形は、オレをあざ笑うかのように見ていた。とにかく、俺が頭の中で思い描いていた人形達とは異なった。店の人に『作風を変えたんですか?』と聞いてみたが、置いてある人形達は特に新しい古いは無く、そしてまた新しい古い問わず人形達は一様に、オレを避けるような目をしていて、その向かいの店に行き人形達に背を向ければ、嘲笑のような目線を感じる気がした。 感受性なんだと思った。世の中、自分がどう感じて、どう思うかなんだと思った。昨日誰かに言われた『楽しい方向にも視野を向けなきゃ』というのも、恐らく感受性だろう。(勝手に書いてゴメン。) 楽しく感じられるのか、嫌に感じられるのか。オレにはそのコントロールが上手く出来ないようだ。 今日思ったことをぶちまけてみました。最後に、勝手に言葉を引用してしまい、本当にごめんなさい。でも、これは頭の中で整理して強く思った。