昨日に続き書評をお送りします。
まず、この本のAmazonリンクはこちら。
http://www.amazon.co.jp/dp/4396614519/ref=cm_sw_r_tw_dp_9fxJrb06QYSFX
この本の著者、@May_Romaさんは
ロンドン在住、元国連職員の「ツイッター芸人」。
フォロワー数は実に45,000以上。
これは僕がフォローしている76人の中では2位(個人アカウントのみ対象)にあたる。
(いずれもこの日記を書いている当時)
(以下は引用)
「日本が世界で尊敬されてるってのは嘘」
「日本人が勤勉で責任感があるというのも大嘘」
「何か考えを突き詰めて議論するよりも、『空気』に合わせることの方が重要」
「不幸の押し付け合い」
―それが、今の日本。
「クレクレ病、何でも人のせい、傲慢で怠け者」―世界は今のJapanをこう見ている。
(引用終わり)
物質上では満たされているはずの日本だが、
では住民が生活に満足しているかどうかというと、それは甚だ疑問である。
原因はすでに見えている。
見せかけの勤勉さと、同調圧力と、そして不幸を押し付け合っているからだと。
他国との比較という手法で、その原因について書いた本だ。
本は6章構成になっている。
まず第1章、「日本はなぜ貧しくなったのか」。
それは問題が起きても原因も対策も考えようとせず、
ただ傍観者になることしかしない「自発性の無さ」だとしている。
自分の生活をよりよくしたければ、自ら考え行動すること。
つまり、いつまでたっても労働環境や住環境が悪化するのは自分の責任である。
というのが1章。
僕としてはある程度同意しながらも、違う考え方もあると見ている。
「社会が悪い」とする考え方も。
「だから何もする必要はない」というのは確かにいいとは言えない。
が、「だからこの手で変えてやる」と続けるのであれば
社会が悪いって言っていいと個人的には考える。
僕には射撃部での実体験もある。
酒の飲みすぎで飲酒事故になるなど真っ平だから
先輩とケンカしてでも抗ったという経験が。
規模の大小はあれど、こういうことなんだろうね。
第2章は、「日本の働き方はこんなにおかしい」。
僕も度々問題に挙げている、日本の労働環境の悪さ。
今の僕がいるのは、田舎ということもあってかそこまで最悪でもない・・・とは思う。
それでも外の世界を知りたいという思いは揺らがないが。
ここでPOSSEが取り上げられている点も注目したいところ。
僕としても、人付き合いよりも成果で評価して欲しい側だ。
そのためなら勉強を重ねる意志はある。
そういう意味で、バイト先は非常にいい環境だった。
この働き方の問題については、去年New Yorkでも話を聞いておきたかった。
今の僕にどれだけ英語が理解できるかはわからんけどね・・・。
ただ、Wall Streetでも20時になると人がほとんどいなかったり、
平日18時に開かれたBryant Parkの映画上映会や
同じくらいの時間のビアガーデンに人がたくさんいるのを見た感じ
やはり日本よりゆるいように見受けられる。
エリート率が高いであろうNYですら、ね。
3章に関しては、日本の学校は無駄が多すぎるという点に関してのみ触れる。
確かに学校は勉強するところだ。
僕なんか、学校行事で逆にクラスメイトとの関係を悪化させたからね。
ネットワールドで活動を始めた当時の僕には、
もはや無理してクラスで友達作りする必要も無かったし。
4章の注目点は、「日本を支配する「世間様」という独裁者」。
この項の会社でのくだりは(詳細は読んで欲しい)、
僕は入社1週間目にして出くわしたorz
やはり僕は会社員に向いてないのかね?
ああ、「新入社員らしく」なんてクソ食らえとも言っておく。
自分の「哲学」か。
ある程度は持ってるつもりだけど、もっと突き詰めて考えてみよう。
5章は飛ばして6章。
やっぱり旅に出るのが当面の目標、ということを再確認。
向こうで仕事ができれば理想だ。
幸いにして、今の業種は向こうで仕事を探すには割と有利と見える。
あとは内容だ。
他にも、本質とずれるかもしれないが感想を書きたいところはある。
例えば1章の、ロンドンオリンピックで起きていた事件。
高速道路にヒビが入ってたのだけはマズくないか?
他は確かにネタにできる。
4章のp.177で、「街中での服装も日本ほど周囲を気にしない」とあるが
夏とはいえ半裸で街中をランニングしてる男達がいたのはさすがに驚いた(もちろんin New York)。
これくらいクレイジーな方がいいと思うよ、僕も。
マネするかは別として。
服装以外でも、歩行者が平気で信号無視するのも
周囲を気にしないことの表れだろうか?
p.179~の多様性だってそう。
白人も黒人も東洋人もたくさんいるから、
現地人か旅行者か、見分けがつかないのだ。
旅行者である僕が道を訊かれることも1度や2度ではなかった。
考えてみて欲しい。
日本国内で、現地人が白人や黒人に道を訊こうとするか?
一例としては、そういうことなんだろう。
いろいろな意味で、インパクトの強い本だ。
今の環境に疑問を持つ方、ぜひどうぞ。
最後に、この本のベースになったtogetterまとめを紹介して終わる。
「@May_Romaさんが語る。本当は「貧困」な日本社会」
http://togetter.com/li/275670
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.05.12 22:12:47
コメント(0)
|
コメントを書く
もっと見る