昨日は、電車の中で「まだ日本の子供たちは捨てたものじゃない」と思ったネタから中国の小皇帝の現状を憂いましたが、今日もちょっとその関係です。
電車の優先席(昔はシルバーシートと言いましたね)には最近日本語のほかにも英語で「PRIORITY SEAT」、韓国語で「ウソンシク」、そして中国語では少々異質な「博愛座」などと書いてあります。いつから中国語で「博愛座」というようになったのか定かではありませんが(台湾・香港発の言葉であれば許します)、中国を知らない日本人は、この表記を見て、きっと「ああ、中国語では『博愛座』というのね。さすが中国は奥ゆかしくて、日本と違って人に優しい国なのね」などと誤解する人が大勢いるはずだと思います。
実態はどうなのでしょうか。昨日のコメントの中にも「お年寄りよりも子供に席を譲る」というものをいただきました。かつて、北京に住んでいたとき、バスや地下鉄では一応優先席らしきところがあって、かすれた活字で「老幼病孕残(お年寄り・子供・病人・妊婦・障害者)」に席を譲りましょうらしきことが書いてありました。私が問題と思ったまず一つ目はこの順番です。お年寄りが一番最初というのはいいとして、二番目に子供が来るのはどうかと思います。どうして障害者や妊婦の方より優先されるのでしょうか(孕残は逆になることもあったり、「弱」が入る場合もあり)。
最近はさすがに変わっているのではないかと思いますが、「幼」が優先、「残」は地位が低いという中国人の本質的なメンタリティがよく出ている表現だと思います。
そして、もうひとつ問題があると私が思うのは障害者を意味する「残」、これはかつては「残廃人」、今は「残疾人」と言われることから来ています。例えばパラリンピックは普通は「残疾人奥運会」略して「残奥会」と言ったりします。「廃」は「役に立たない」、「疾」は「障害」などという意味があり、それらの状態が「残」っていることからこのような言い方になると思いますが、「残廃人」という表記は「廃人」を想像し(中国でも「廃人」は「廃人」という)、非常に差別的なものを感じます。「残疾人」にしたところで、「残」という字から私はどうしても「か●わ」のような印象を持ってしまいます。障害者自身も例えば「残疾人協会」などと言っているようで、この感覚はちょっと理解できません。
このようなことを少しも知らずに、「博愛座」を見て中国のことを高尚な国や心優しい人々だと誤解する人がいるとしたら(もちろん一部に高尚な人や心優しい人はいます)、甚だしい事実誤認であると思ったりします。そんなことで今日も憂いを感じてしまいました。ちょっと仕事が忙しいもので・・・
今度はもっと明るいネタにしたいと思います。ではまた。
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