万有引力「草迷宮」を観にいってました
今日も日中鬼のような顔で働いて(「鬼のように働いて」でないところがポイントです)、終わったとたん鬼の形相で電車に駆け込みました。今日の目的地はこまばエミナース。映画じやないんです。今日は演劇。といっても、この演劇はもともと映画。寺山修司が生前に撮った「草迷宮」を舞台にしたものです(寺山さんの映画では、この「草迷宮」だけ何故かまだ観ていないんですけどね)。演じる劇団は演劇実験室◎万有引力。この万有引力というのは、J・A(ジェイ・エーもしくはジュリアス・アーノルド)・シーザー氏主宰の劇団です。その昔、寺山修司という怪人二十面相のようたくさんの顔を持つ“巨人”がいまして、そのうちの“ひとつの顔”が演劇実験室◎天井桟敷という劇団を持っていました。J・A・シーザーはその天井桟敷の音楽を司るばかりではなく、演出もサポートするなど、天井桟敷の事実上のNo.2でした。1983年5月、寺山修司は“大いなる幻影”をこの世にのこしたまま、この世を去りました。演劇実験室◎天井桟敷もその幕を下ろします。しかし、行き場のない劇団員たちも多く、演劇実験室◎天井桟敷は、J・A・シーザーなど、残った人たちによって“再構築”されます。それが演劇実験室◎万有引力です。万有引力は天井桟敷の演目を再演する一方、寺山修司の遺稿を再構成して上演しています。もういまはなき天井桟敷の舞台の名残を観ることができるのは、この万有引力だけということになります。今日も“サジキ”(天井桟敷のことです)の人が客席にきていました。九条今日子さん、森崎編陸さん(このふたりは寺山修司の母・寺山ハツさんの戸籍に入っているので、寺山修司とは戸籍上の兄弟です)、蘭妖子さん。舞台のうえでも、シーザーが打楽器を打ち鳴らしていました。こういう姿を見ると、やはり寺山修司の“幻影”が生きているような気がします。「草迷宮」は泉鏡花の原作を、寺山修司が台本にしたもの。今回の「草迷宮」は、いかにも万有引力的なおどろおどろしいアングラ・ワールドが展開されていました。また、シーザーの呪術的音楽がほぼ全編にわたって響き渡り、シーザー得意の音楽劇として再構成されていました。怒涛の変拍子てんこ盛り(7拍子もあり)のヘビメタ・プログレ! シーザーファンの私にはたまらない「草迷宮」でした(楽しかった~)。ビデオメーカー 草迷宮【寺山修司監督の映画】 上海異人娼館/チャイナドール デジタルリマスター版 ◆20%OFF!ジェネオン エンタテインメント さらば箱舟ジェネオン エンタテインメント 田園に死す書を捨てよ町へ出よう⇒演劇実験室◎万有引力オフィシャル・サイト