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テーマ:心のままに独り言(8750)
カテゴリ:必殺仕置屋稼業
誰が沢田研二やねん! のりお師匠
必殺仕置屋稼業 第19話「一筆啓上業苦が見えた」 今のような時に観るのがつらい一本。必殺シリーズ最大の問題作。奉行所では罪人の首切り役が順番で決められていた。主水は腹痛と偽り役目から逃れようとするが、村野様に見破られて小伝馬町へ。囚人の弥蔵(汐路章)は土壇場でも悪態つきまくり。「お前の名前だって瓦版に載って江戸中にぱーっと知れ渡るんだ。もし俺を斬り損ねたら江戸中の物笑いだぜ!」。一仕事を終えてどんより。酒を飲みながら主水の話を聞く捨三。「なるほどねー人の首切ってお手当はたったの二扶ですかー」。やや悪酔い。主水に酒を勧めるが主水は下戸なので飲めない。「付き合い悪いったらありゃしねー・・・旦那、この刀で今まで何人ぐらい人殺してきたんですか?旦那、人殺したら地獄へ行くってあれホントですかね?」などねちねちと絡らまれ思わずやけ酒。「旦那イケるじゃないですか!」しかし瞬時にオエ~。油問屋・篠屋の息子・清吉が仏になって戻ってきた。修行僧・正覚(カー将軍)は修行中に死んだと話すが、清吉の母親は受け入れられない。後日おこうは主水に仕事を依頼する。「この商売はコツがおますねん。二、三日おいたらあきまへんねん。その日のうちに涙が乾かんうちに恨みを晴らさな仏はんは浮かばりまへんでって、その一言でコロリ。面白いほどかかってきまっせ」「あまり図に乗って尻尾掴まれるなよ」。そんなこんなで調査開始。清吉は病弱な体に鞭を打って荒行に励んでいたため奉行所では事件性が低いと認識していた。この修行を主宰する修行僧・全覚(八橋進介の父親)が元米沢藩の侍・木原兵三郎と知って、主水は仕事を断ることに決める。納得できない市松は一人で請け負うが「今度ばっかりはあの市松も手出しができる男じゃねえ。そんな生易しい相手じゃねえんだ」。その夜、かつて道場仲間だった小出らが訪ねて来る。恩師・田所を斬った木原が江戸に戻って来た、そこで主水に助太刀を求めてきたのだ。しかし主水は役人の立場上、敵討ちに反対。しかも田所と木原が斬り合った真相が分かっていない。「口先だけでは人は斬れんよ。ましてや相手は木原さんだ。あなた方三人の腕ではとても無理だ。ま、止めた方が無難でしょうな」。その頃、市松は木原を仕留めようとするが、異様な気迫に圧倒されて仕損じる。翌日、主水は木原に会いに行く。木原は主水に付けられていたことに気づいていた。主水は清吉の件を訪ねると「私が殺したようなものだ。あれは私のところに死にに来た男だ」と素直に答える。「あの病弱な体で何かを掴もうと必死になって荒行に打ち込んでいた。あそこまで行ってしまうと人の言うことは耳に入らん。私は死ぬことを知っていたが敢えて止もしなかった。だから私が殺したようなものだ」。家族に恨まれて当然、昨日は殺し屋に襲われた。そのためいつでも死ぬ覚悟だけはできていると話す。しかし田所を斬った理由だけは話そうとない。その夜、小出は主水に再び助太刀を求めるが「まともに立ち会えば今でも私は木原さんには勝てんでしょう。あの人はまだ剣を捨ててはいないんだ。鬼と言われた昔よりもっと強くなっているかもしれん」とまたしても断られる。そんなこんなで市松は二度目の襲撃をしようとするが、小出たちが乱入し木原に斬りかかる。「先生を斬ったのは遺恨ではない。剣を持った者が辿り着く業の果てだ。あなた方にはそれが分からんのだ」。小出は木原と正覚に惨殺される。市松はその様子を主水に報告する。「嘘だ!木原さんがやるわけねえ!」「俺はこの目で確かに見たんだ。二人掛りでまるで犬コロでも扱うように叩き殺した!奴は人間じゃねえ、鬼だ!俺は鬼は殺せねえ。俺が殺せるのは人間だけだ」。主水は死を覚悟して道場仲間二人と木原のいる秩父を目指す。その途中で印玄が待ち構えていた。「せめて死に水でも取ってやろうと思ってな。えへへ」とにこにこの印玄をひっぱたきながら微笑を浮かべる主水。「お~痛」。そんなこんなで寺に到着。正覚を印玄に任せて本堂を目指す。踏み込もうとする道場仲間を静止すると刀を置いて木原と二人きりで対面する。「あなたも随分と人を殺してきたようだな。私の耳にはあなたに殺された者のうめき声がはっきり聞こえる。町方同心の職務だけでこれだけの人間を殺すわけがない。羨ましいことだ。私には出来ない。侍の家に生まれ、物心ついた時には既に私の手には人を殺すための剣が持たされていた。殺すか殺されるか。道は二つに一つと。子どもの頃から教え込まれてきた。江戸に来て田所先生の門に入った時、私は初めて人に勝つ自信が持てた。人には殺されない。私が人を殺すのだという確信が持てた。その頃のことはあなたもご存じだろう。竹刀を持って立ち会えば三本に二本は私が田所先生に勝った。そしてあの日、稽古を終え帰ろうとする私は先生に呼び止められた」。田所が真剣で斬りかかる。「先生が何故斬りつけたか、その時の私には分からなかった。先生を斬り、脱藩して上方に逃れた。そこでも私は人を斬った。強い相手を求めて次々と倒した。私は剣に溺れていたのだ。剣を持つ者がいずれは行き着く業苦の世界だ。今の私には先生の気持ちがよく分かる。あの業苦の世界から逃れるには所詮おのれを殺す以外に道はないのだ。しかし私は死ねなかった。殺してくれる者もいなかった。私は生きながらにして仏にすがった。だが自ら地獄に落ちた者は仏すら救ってはくれぬのだ。私は業苦の世界から足を抜けぬ。おのれのうちに潜む魔性すら糾すことすら出来ぬのだ。私は恐ろしい。こうして仏に祈っていても持って生まれた宿業が私を追い詰めてくる。誰も私を救ってはくれぬ。一人でも人を殺してしまった者には未来永劫、救いの道はないのだ。どうすればいいのだ。私はどうすればいいのだ」。主水は何も言うことができない。しかし「そういうあなたが何故小出を斬ったのですか?木原さん・・・逃げて下さい・・・お願いだ」とだけ言う。主水は表で待っていた道場仲間らに木原が死んだと説明し、引き上げさせようとするが木原の読経が聞こえる。「騙したな中村さん!」。激昂して木原に斬りかかるが瞬時に返り討ちに遭う。対峙する主水と木原。主水の脳裏には木原に斬り殺される自分の姿が浮かび上がる。主水に斬りかかる木原。主水は木原の剣を振り払うと上段に構える。木原が叫ぶ。「斬れ!」。しかし主水は刀を静かに降ろす。その瞬間、木原は自分の首を斬りつける。木原の亡骸に手を合わせる主水。表は夜が明けていた。にこにこで待っていた印玄と寺をあとにする。お・わ・り お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年05月15日 12時40分39秒
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