ドラえもんのアルバイト
トルマリンのお話、3話目です。トルマリンは、結晶構造が同じであるケイ酸塩鉱物のグループを指します。鉱物名では、ドラバイト、ウバイト、ショールなどと化学組成に沿って分けられますが、宝石の商品名としては、組成よりも色で分けられます。例えば一般的には、赤やピンク→ルべライト青→インディゴライトといった呼び名になります。そして、そういった呼び名がつくと、一気に価値があがってくるから、ホント、宝石っておもしろいですね。気になっているこのグリーンのトルマリン緑の起因はバナディウムが主なのですが、クロムも少量含まれ、色も鮮やかな緑色なので、商品名、クロム・トルマリンとなります。でも、宝石学的に切ると、これは、↓Dravite(Gemmology Vol30 No.7/8より)ドラバイトに属します。う~ん、ドラバイトって、スリランカで多く産出されるドラバイトのイメージは、コレ↓こげ茶や茶色っぽいようなもの・・・。商品名でも、黄色や茶色、オレンジ色のトルマリンは、そのままドラバイトと呼ばれて販売されます。・・・・と、これが、ドラバイトであると資料的にはわかれば、ふ~ん、で、終わりそうな話なのですが、私が確信をもって、この宝石がドラバイトであるとわかったのは、へへへ ( ̄∀ ̄) (↑ちょっと得意げ?)コチラノ数字ヲゴランクダサイ↓グリーンの宝石の屈折率です。普通、宝石学のトルマリンの屈折率は、1.62から1.64か1.65あたりまでが記されていますが、(英国宝石学協会のテキストより) 私が調べた屈折率では、1.615からではないですか? え、コレ、トルマリンじゃないの??? 新種、発見か~! (↑おいおい・・・おい)ん、な、ワケナクテ・・・、こちら、宝石の写真図鑑にドラバイトの説明があって、屈折率は1.61-1.63ドラバイトはトルマリンの中でも屈折率が低いんだぁあのトルマリンは、バナジウム発色のドラバイトで、商品名クロムトルマリンという、決着が自分の中でつきました・・・。(↑はい、ご苦労さま!!)さて、宝石の名前って覚えにくですよね?ドラバイト…何度も忘れそうになるほど、印象のうすい名前なのですが、ここで、(小学館コロコロ文庫より)ドラえもん登場~! ドラえもんのアルバイトと覚えています。トルマリンの宝石学的なことや商品名など、福本修の鉱物・宝石小事典を参照させて頂きました。(↑宝石学の勉強をするのにとても役立つサイトです!)