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川柳で人生を二倍に生きる

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2008年01月23日
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カテゴリ:川柳
 川柳の研究をするには、原典に当ることが重要です。
 多くの川柳入門書が執筆されていますが、多くの場合、先行書の引用や孫引き、ひどいものになると無断のパクリとも思われる記述さえあります。

 尾藤三柳という研究者の門前に居て、よかったと思うことは、常識と思われているような事でも、常に原典に当って確認してから執筆せよ…という姿勢を学んだことでしょうか。判りきっていることを再調査せよといわれ「面倒…」と思ったことも少なからずありましたが、どうしてどうして、調べなおすと、言い伝えられてきたことと随分違うといった事実の発見(再発見)もあり、「なるほど」と感じたことも少なからずありました。

 25年前の『川柳総合事典』刊行時には、まだまだ川柳史料は不十分で、今日のようにネット検索の利便性が整っていなかった時代には、国立国会図書館は元より、地方の図書館まで足を運んで、「メモをしてくる」という足で稼ぐ作業に終始していました。そんな中で、メモの取り違えから、句の表記を間違ったまま執筆していたこともありました。
 今日では、現地でのコピーも簡単であり、カメラもデジカメとなってからは、撮影したものがそのまま資料になるように、パソコンでの資料のデータベースも簡単に作れ、IT化は、私たちの研究を大きく支援してくれています。

 さらに、ネットでの売買は、川柳史料を直接購入できる機会をぐんと増やしました。
 昨年の川柳250年事業において、<目で識る川柳250年展>を開催できたのも、この25年間に古書市やネットオークションで入手した現物の史料があったからです。

 そんな意味もあり、私は古物商の登録をし、少しでも有利に情報が集められるよう、体制を整えました。
 脱サラをして古物を取ったときには、「古本屋でもやるのかい…」と、まわり中から笑われたものですが、意図が判ってくると、「一泉が川柳史料を集めているのなら協力してやろう…」という有難い御仁も現れ、私の川柳活動を理解してくれる人が増えてきました。

 そんな中、「書画集覧」という一冊の本を紹介して頂きました。
 内題は、「大成和漢書画集覧」で弘化元年(幕末)の書。編者は、廣覺道人で、江戸は大伝馬町二丁目の丁子屋平兵衛板。
 
 「書家部」「画家部」「歌人部」「医家部」「茶人部」「連歌部」「俳諧部」「狂歌部」「雑部」「釈氏」「漢書画家部」に分類され、上は天皇から下は世捨て人までの名が紹介されています。

 その中の「俳諧部」の最後のほうに川柳の名が見られます。
 もっとも「川柳」ではなく「千柳」と表記されています。

  千柳.jpg

  古川千柳 江戸人 所謂千柳点祖 (ふるかわせんりゅう えどじん いわゆるせんりゅうてんのそ)

 と読めます。弘化といえば、五世川柳の晩年で、川柳一派は天保の改革にもめげず、一大勢力を誇っていた時期ですが、その川柳(狂句)界は一般社会とかい離した存在になっていました。
 
 この書籍の編者は、おそらく当時江戸に居た五世川柳の存在を知らず、川柳点の祖を別の著名人・並木千柳と混同していたようです。

 川柳・狂句を直接知る人なら、こんな間違いはしないと思いますが、書画の専門家から見た俳諧家としての柄井川柳に対する理解度は、こんな程度であったのかもしれません。
 この書は、そんな意味で幕末における「川柳」という文芸の社会への浸透度が判るようで、面白く拝見しました。

 昨年の川柳250年では、<目で識る川柳250年展>とそのカタログにおいて、かなり専門的な原典をもって川柳を紹介しました。
 また、<サラ川>以来の公募川柳ブームによって、「川柳」がおおきく社会に浸透している時代です。

 さらに、川柳が社会へ「正しく」理解されるように、あらゆる機会を通じて知らせていかなくてはならないでしょう。

 それと併行して、川柳の原典資料を研究に供せるよう、収集整理と公開利用のシステムを作り上げていきたいと思います。川柳家が亡くなると、家族が無理解な場合には、川柳史料が散逸してしまいます。運良く、古書店などに回れば、リサイクルされるのですが、万が一「ゴミ」として捨てられてしまうと、大切な川柳の文化財が喪われてしまいます。

 川柳史料が捨てられてしまうような場合には、貴重・不用を問わず、是非、<朱雀洞文庫>にご寄贈ください。将来の、川柳資料館ないし川柳博物館を目指して、川柳史料の収集と研究を行ってまいりたいと思います。
 また、川柳関係の文物、書籍を「売りたい」と思われる方は、玄武堂までお問合せください。満足のいくお値段で、買取させていただきます。





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最終更新日  2008年01月23日 19時47分40秒
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