笑うというのはいいことだ。
私の従姉は、「生まれてから1遍も、心から笑ったことがない」と言っていた。笑っているのはよく見たが、心から笑っていないとは知らなかった。なぜ、そんなに悲しかったのだろうか?
お父さんとお母さんが仲良くなかった。お母さんは病気勝ちだった。でも、お母さんが鉄工所を経営していて、お金持ちだった。お乳母さんや女中さんがいた。
お父さんは腕の良い研磨工で、よく働いた。でも、外に女の人がいた。
学校には友達がいなかった。19歳の時にお母さんが死んで、すぐにお父さんは女のところへ行ってしまった。工場が潰れて、小さな家へ移り、貰いっ子の弟と二人で暮らしていた。
戦後、お父さんと同じ研磨工と結婚して、子供が3人生まれた。お金はあまり無かったが、子供たちを大事に育てた。長男は親孝行、次男は家庭的、3男は親不孝。お嫁さんに逃げられて2歳の子供の世話をを母親に押し付けて遊び暮らしている。それにしても、「心から笑ったことがない」とは不幸なことだ。
人間長く生きていると、いろんなことがある。面白いことより悲しいことの方が多い。でも、私はよく笑う。テレビの国会討論会やニュースをみて笑っている。正確に言うと、笑ったり怒ったりしている。本を読んで笑う。泣く。
笑うのはタダだ。しかし、ラジオの番組担当者やゲストがガハガハ笑っているのは面白くない。日本の若い女性は、なんでみな歯並びがきたないのだろう。日本のおカシラはいつも冷笑しているように見える。
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