ステロイドの体内における作用(5)
<抗炎症作用(その2)> 前回何らかの障害が生じると、その細胞からサイトカインと呼ばれる物質が分泌され、それが血液中の白血球(特に好中球)を引き寄せると書きました。好中球は病原菌と戦い次々と死んでいきます。皮膚の場合ならそれはウミとして観察できます。 さて、炎症というのは基本的には体の防衛機能が働いている証拠です。その際もう一つ重要な物質が作られます。それがプロスタグランジンという一種のホルモンです。 プロスタグランジンは不飽和脂肪酸を原料として作られますが、大きく3つの種類があります。オメガ6という系列のガンマリノレン酸から作られるI型、オメガ6系列のアラキドン酸から作られるII型、オメガ3系列のEPA(エイコサペンタエン酸)から作られるIII型です。 この中で炎症に関係するのはアラキドン酸から作られるII型です。一方、I型とIII型は炎症を抑える方に働きます。つまり、傷害の発生と治癒の経過に従って、作られるプロスタグランジンが異なってくるわけです。 ただここで問題になるのは、アラキドン酸は肉類に多く含まれる不飽和脂肪酸のため、現代の一般的な食生活を送っている人が原料不足になることはまずないのに対し、I型とIII型の原料であるガンマリノレン酸やEPAは摂取不足の人が多いということです。 ちなみに、ガンマリノレン酸を比較的豊富に含む食品は月見草油、EPAを豊富に含むのは青身魚です。もっともこれらを日常的に摂取している人は少ないと思います。私自身はサプリメントを併用しています。 横道にそれてしまいました。実はプロスタグランジンは必要なときに必要な場所だけに作られる特殊な物質です。必要なときに材料がない場合は、そのプロスタグランジンを作ることができません。これが、炎症が長く続いたり、炎症が収まらない原因の一つになっているのです。 私は以前からオメガ3系の不飽和脂肪酸の重要性を書いていますが、これは炎症への対処という観点からも大切なことなのです。 続きはまた次回! ★サプリメントアドバイザーが身近にいない方は、ひとみ先生までご連絡下さい。★「にほんブログ村ランキング」に参加しました。クリックお願いします!★このブログの内容をメルマガの形で配信しております。もし、メールの形をご希望の方は読者登録をお願いします。 ⇒ http://blog.mag2.com/m/log/0000184917★ひとみ先生のホームページもよろしく! ⇒ http://www.kenko-club.jp