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本日、第47回社会保険労務士試験の合格発表が行われました。合格基準点は、 選択式21点以上、択一式45点以上、救済は、労一・社一・健保・厚年各2点。 合格者数は平成に入って最も少ない1,051人、合格率は史上最低の 2・58%。 合格率2.58%の衝撃、いったい、何が起こったのでしょうか。 合格基準には「上記合格基準は試験の難易度に差が生じたことから、昨年度 試験の合格基準を補正したものである」という説明がいつものように付され ているので、「新合格基準」を導入したわけではなさそうです。では、なぜ? 11月4日のエントリーには、今年の「司法書士試験」の最終結果を載せました。 理由はひとつ。昨年の「社労士法改正」の影響で、今年の合格率が司法 書士試験並の低合格率になった場合を想定し、比較するためです。 社会保険労務士への簡裁訴訟代理権付与等については、日弁連から以前に以下 のような意見書が出されています。 ------------------------------------ 全国社会保険労務士会は,素養,実績の足らざるところは,憲法・民法・ 民事訴訟法等の試験科目追加や研修で補うとする。これらの科目を試験 科目に加えるといっても,どの程度の習得度を合格基準に設定するかは 明らかではない。簡裁訴訟代理権を念頭に置くならば,司法試験に準ず る程度,少なくとも司法書士試験と同程度の習得度が必要になろう。 ------------------------------------ つまり、簡裁訴訟代理権獲得を目指すのならば、社労士試験の合格基準は、少な くとも「司法書士試験」と同程度の水準にする必要があるということでしょう。 今年の司法書士試験の合格率は3.95%、一方、社労士試験は2.58%。 今回の記録的な低合格率の背景には、昨年の「社労士法改正」で、補佐人制度が 全ての社労士を対象としていることから、その職務を充実したものとするため、 社労士試験の内容の見直しを検討するよう、附帯決議が付されたことに よるものでもあるでしょう。 いずれにせよ、今年の社労士試験の結果をみる限り、試験問題の難度を上げ、合格 者数、合格率も「司法書士試験」並に絞りこむことによって、簡裁訴訟代理権獲得 に向けて、本気で動き出したと捉えることもできます。 試験実施機関が「激変緩和措置」を設けず、いきなり合格率を9.3%から2.6%へ 下げ、合格者数を1,000人程度まで絞り込んだことは、試験制度の根幹を揺るがし かねない事態でもあります。来年以降も、司法書士試験並の合格率を維持するので あれば、100人中、3番以内に入らないと受からないわけです。もう、別世界です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年11月06日 23時48分02秒
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