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 小説ブログ 「GO!GO!花園」

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ようこそおいでくださいました。Madam Garden こと花園夫人です!

オムニバス短編小説で、駐在員団地のばたばたな日常を書いてます。

この物語はフィクションであり、実在する企業、団体、人物などとは関係ありません。C国は架空の日本の隣国…っていうか明らかに中国ですね。でも、Q市はあくまで架空の一都市です。登場人物も特定の個人をモデルとするものではなく、すべて作者の想像上の産物です。

作者の注意散漫なうっかり体質による読み苦しい間違いも多々あるかと思います。広い心で付き合ってください。

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2010年01月22日
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GOGO花園って何?って方は、第一回のコチラから
この章をはじめから読むにはココ


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闘魂 コンバット史恵さんの巻  (2) ボム!ボム!ボム!


 原因といえば、あのことしか思いあたらない。半年前から個人でトレーナーについて習っているキックボクシングだ。きっかけは、運動不足から来る肩こりだった。子供たちが学校に行ったあと、週に三回花園内のジムに通って一人運動をしていた史恵は、そこで知り合った香港人のメラニーに、外国人のトレーナの経験があるというコーチを紹介された。個人トレーナーを雇うなんて、ハリウッドなんて女優じゃあるまいし、と思ったけれど、人件費の安いこの国では習い事程度のお金で何とかなる。

 紹介されたコーチは、ブルース チャン。C国語の名前は張克洋。筋肉隆々の好青年で、大学で体育を専攻して、子ども相手の体操教室を開く資金をためているという。史恵はトレーニングを始めてすぐは、ダンベルやウエートトレーニングのマシーンを使って週に1時間ほどあれこれやっていた。史恵は、とりあえずはじめの一ヶ月はと思ってまじめにやってみたがどうもぴんとこない。確かに運動にはなるけど、ちょっと盛り上がらないかも、一人でやってもつまらないし。しかし、そんなある日、コーチのブルースが持ってきたキックボクシング用のミットにキックを入れてから史恵の闘争心に火がついた。


boxing.jpg

 
 ダンベルをあげるよりも、キックをする方がほうが面白い。スカッとするし、難しい。ダンベルをあげるのが多少下手でも見た目ではなかなかわからないが、パンチもキックも正しいフォームで正しい速度で入らなければ、ミットは決して良い音を立ててくれない。それは史恵にとってまったく新しい、刺激だった。パンチをすれば前のめりになり、足を上げてキックすればバランスが取れなくなってよろめく初心者の史恵に対し、ブルースは熱い言葉でこたえた。

「フミエ、拳だけで打つのではない。脚から来るパワーを拳にこめて!」

「パンチは、ただまっすぐ出さない。弾丸が銃口をスピンしながら回ってくようにに、内側に回転させながら!」

「フロントキックはコブラのアタック。すばやく早く出してすばやく引っ込める。すばやく殺す!」

「ヒールキックは踵にある爆弾を相手に当てて爆発させるんだ!ボム!ボム!ボム!」

 弾丸にコブラに爆弾?殺すって誰を? ちょっとそのアドヴァイス、主婦の私にはハードすぎ、史恵は戸惑ったが、ミットを構えるブルースの目はあくまで真剣で、それを見てパンチを打ち込む史恵にも、すこしずつファイターの心は育っていった。

(続く…)


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最終更新日  2010年02月02日 23時10分50秒
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